仕事でのトラブルや、交友関係、はたまた恋人とのケンカや失恋など、人間関係ができあがってしまえば後悔することや傷つく場面も多くなります。嫌なことを思い出し自己嫌悪に陥ることもあります。誰しもが、忘れたくてもなかなか忘れられない時があるものです。
嫌なことばかりが続くとどうしても頭を抱えてしまいますし、「また傷ついたらどうしよう」とネガティブになってしまうことは仕方のないことだと思います。その時間は苦痛で辛いものですよね。
完璧に忘れる方法ではなくても、少しでも考えずに済む方法があれば試したいと思いませんか。
これから先、何かの壁が立ちはだかったときにも役立つと思います。
この記事の目次
嫌なことが忘れられないみなさまへ
嫌な出来事の記憶が、ふとした時に思い起こされてしまって苦しくなってしまうことはありませんか。同じようなシーンに遭遇した時に「そういえばあの時…」と思い返して、胸がきゅっと締め付けられるような思いをすることはありませんか。
生きていれば、誰もがこのような感情に悩まされる時があるものです。長く苦しい時間が続いてしまうのは、とても辛いことだと思います。
しかし、どんなことでも忘れることはできるはずです。完全には嫌な記憶を消すことができなかったり、時間がかかったりするかもしれませんが、必ず普通に笑える日がやってきます。
また、私たちは嫌なことを吹き飛ばす能力を既に持っているのです。嫌なことを思い出してしまって辛い時、後悔していることを忘れたい時、そんな時にできることがあります。
嫌なことばかり考えてしまう理由
なぜ人は嫌な記憶に悩まされてしまうのでしょうか。それには私たちの脳にある記憶のメカニズムが大きく関係しています。
記憶の仕組み
「記憶」には、主に3つの種類があります。
・1日程度で消えてしまう短期記憶
・1週間~1ヶ月程度で消えてしまう中期記憶
・1ヶ月以上残る長期記憶
長期的に記憶を残す場合には、「エピソード記憶」といって、ひとつのストーリーに沿って一連の流れを覚える方法があります。
例えば、失敗して後悔をした記憶の場合、失敗する前から後までの流れを記憶するのです。それにより、悲しみや恐怖・怒りや妬みなどの嫌な感情がいつまでも同じ状態で思い起こされるのです。
なかなか忘れることができない記憶
長期的に嫌なことを思い出してしまう理由の中に、同じエピソードを繰り返してしまっていることが挙げられます。
嫌な思い出は反復することで脳に焼き付くように固定化されてしまいます。例えば学校のテストなどで、繰り返し勉強していなかったことが原因で、学習したことを忘れてしまったという経験はありませんか?
嫌なエピソードを繰り返し思い出すことは、繰り返し問題を解いて覚える勉強方法と同じなのです。
自分に非がないのに叱られてしまったことや何かに傷ついたこと、認めてほしかったのにそうならなかったことなど、納得のいかない嫌な思い出は何度も繰り返し考えてしまいやすく、無意識に脳に覚えさせられてしまうのです。
嫌なことを忘れるためには
嫌なことを忘れたい場合、一体どんな方法があるのでしょうか。
みなさまに今一度振り返って頂きたいのですが、知り合いの電話番号を10件覚えているという方はいらっしゃいますか?一瞬見た絵を正確に描くことはできますか?
このように、人間には忘却能力も備わっています。
それでもグルグルと同じことを考えてしまうのは、「また同じことが起こったらどうしよう」という不安な感情が、脳へ忘れないように働きかけているからです。
記憶を抹消することは不可能ですが、忘れる方法や考えることを止める方法はあります。
プラスの方向へ考え方を変える
もともと傷つきやすい性格であった場合、嫌な思い出が人より多くなります。その度に新しいエピソードが増え、次々に追加されていきます。
これではいくら記憶を消してもキリがありませんので、気が付いたときにプラスの思考へと転換していくことが大切です。
難しいことのように感じますが、やり方は簡単です。
手始めに、嫌なことを思い出してしまった時に「まぁいっか!」「大丈夫、大丈夫!」などと自分を励ますような言葉を口にしてみてください。実際に発言すると自分に言い聞かせることができ、ポジティブな思考が身につくようになるのです。
ネガティブな方の特徴として、自分が嫌いだったり、自信が持てなかったりすることがあります。自尊心が低いと、自分にとって不都合・不利益になったことを思い出しやすくなる傾向があるようです。
嫌なことを忘れられない、思い出してしまうという行為は、自分をどんどん追い詰めていってしまいます。繰り返すことで鬱状態になってしまうこともあり、そうなってしまっては長い苦しみから抜け出すことが難しくなるかもしれません。
このような事態を防ぐためにも、ネガティブな性格を変えて、ポジティブな考え方ができるようになるのは大きな意味があることなのです。
まずは自分を励ましてみること。騙されたと思って、一度試してみてくださいね。
記憶を飛ばす
記憶には映像、音、感覚や匂いの順序で優先順位が違います。
嫌なことを忘れられない場合、大抵は映像として記憶に残り、それを繰り返し考えてしまっていると思います。あなたの嫌なことは、最初から最後までリアルな映像ではないですか?
もしそうだとすれば、それを飛ばしてしまう良い方法があります。
まずは、嫌な記憶の映像をフルカラーから白黒にするようイメージチェンジをしてみてください。そして、その映像をぼかしていきます。嫌なことを小さく丸めて遠くへぽいっと放り投げてしまうイメージをしましょう。
そのあとには、自分が好きな歌や明るい音楽を頭の中で流します。実際に口ずさめると尚良いです。
思い出してしまいそうになったら、嫌なことの映像を見ない・聞かないという2つのことを意識的に行い、音楽で抑え込んでしまうのです。
「こんなことで?」と思われているかもしれませんが、嫌な記憶を繰り返さないということが肝心です。この方法を行っていけば、芸能人の名前や漢字が思い出せないのと同じで次第に忘れていくことができます。
文字に起こして思い出と向き合う
傷ついたり辛かったりする嫌なことを文字に起こしてみましょう。頭の中だけで考えていると、いつまでたってもスッキリしません。
書き出してみることで、脳が「もう考えなくても大丈夫」と判断し、忘れることもできます。
他にも、事柄や自分の気持ちを整理整頓することで、客観的に考えることができます。何か発見や気づきがあるかもしれませんね。
諦めも肝心
不条理な出来事だと、どうしても「あの時こうしていれば」と後悔してしまうと思います。
しかし、過去はもう変えることができません。やってしまったことを悔やむよりも、すっぱりと未練を断ち切るほうが次につながります。
過去を振り返って何度も傷ついてしまうのは精神的にも良いことではありませんので、今の自分と向き合い変わっていくことが大切です。
まとめ
今までの人生で嫌なことが沢山あったという方もいらっしゃると思いますが、嫌なことと同じくらい、楽しかったこと・面白かったことも沢山ありませんでしたか?
傷ついたり後悔したり、嫌なことを忘れられずにいると「自分なんて…」と思えてきてしまうかもしれません。
しかし、今までのあなたがあったから「今」があるということを忘れないでください。あなたはひとりしか存在せず、変わりは誰にもできません。
あなたは、これからの未来に絶望しているかもしれません。しかし、未来を変えていけるのは他の誰でもないあなただけなのです。自由な将来が待っています。
何をしたらよいか分からないという方は、まずは今回ご紹介した方法を一度実行してみてください。みなさまの気持ちが少しでもプラスへ変わっていければ幸いです。