デスクワークや家事、毎日の生活の中で体のこりに悩んでいる人は多いです。しかし、なぜ体がこってしまい様々な不調や痛みを発症するのか知らない人は多いです。
こりを改善するには、まずそれが何なのかを知ることから始めましょう。どのような仕組みによって発症し、なぜ問題を引き起こすのかについて理解することで、改善方法を導くことが出来ます。
この記事の目次
こりの原因と仕組み
こりの主な原因は血流不足
肩こりなどの「こり」とはどのような原因で起こるのかというと、主な原因は血流不良が考えられます。
通常、筋肉に必要な酸素や栄養は血管を通して筋肉に供給されます。筋肉が活動することでできた産生物も同じように血流の流れに乗り、運搬されて体外に排出されます。
これが健康なときの身体の仕組みですが、デスクワークなどで常に同じ姿勢が続くと、血流の流れが悪くなってしまい、筋肉への酸素の供給がうまくいかなくなります。
筋肉が酸欠状態となっているときに筋肉を動かそうとすると、その代謝物として疲れの元となる乳酸が作られ、筋肉が硬くなってこりやだるさを感じるようになるのです。
こりの痛みを感じる仕組み
筋肉が凝り固まることで毛細血管が圧迫されると、身体の血流がさらに悪くなります。
本来であれば筋肉が活動して産生された代謝物は血流と共に体外に排出されるのですが、血流が悪くなっているために排出することが出来ず、筋肉の内部に徐々に溜まってしまいます。
この代謝物は、身体に染み出てくると周辺の神経を刺激する作用をもたらすため、結果的にこりの痛みを感じるようになるのです。
同じところが何度もこる、ジーンと痛みを感じるという人も多いと思いますが、その場合には末梢神経のダメージが考えられます。
疲労を感じて硬くなった筋肉や体外に排出できなかった乳酸などの刺激で梢神経も圧迫してしまいます。
末梢神経は、それ自体が痛みやしびれなどを脳に伝える神経であるため、筋肉の硬直や乳酸の刺激によって圧迫されることで痛みやしびれを感じやすくなるのです。
筋肉の緊張とこりの関係
血行不良(血流不足)が起こる原因はいくつか考えられますが、交感神経の緊張や神経の圧迫以外に考えられる理由として、筋肉が緊張している状態の持続が挙げられます。
パソコンなどのデスクワークによって同じ姿勢で作業を続ける方は多いと思いますが、あまり筋肉を動かすことなく同じ姿勢ばかりの作業を続けてしまうと、同じ筋肉にばかり負担がかかってしまいます。
負担がかかった筋肉は緊張した状態となり血行不良になるのです。これはデスクワークに限らず、普段の姿勢なども影響します。
猫背やなで肩などによって発症する場合には、普通に過ごしているだけで同じ部分の筋肉に負担をかけやすいことから、血行不良となってこりを感じやすくなります。
こりの改善方法・予防方法
こりの原因から分かるように、こりを改善・予防するには血行不良を解消するのが効果的です。
緊張した筋肉をほぐす
整体やマッサージなどに通うとこりが改善したように感じるのは、血流を改善したことによって体に溜まっていた代謝物が体外に排出されるからです。
つまり、緊張によって固まった筋肉がほぐされたことで血流が良くなったことが関係しているのです。
体を温めて血行促進
他にも体を温める方法が有効です。
入浴が面倒だからといって、毎日シャワーしか浴びないという状態では体が冷え切ったままとなり、滞った血流が改善するのは難しいです。冬場はもちろん、暖かい時期でもなるべく湯船に浸かって体を温めましょう。
体を冷やさないことで血行不良を防ぐという点では、薄着をしない、肌を露出させないことも大切です。積極的に温かい状態を保ち、血行を改善するようにしましょう。
体勢・姿勢に気をつける
普段から血行不良にならないようにするために日頃の姿勢や過ごし方においても意識していくことが大切です。
しかし、デスクワークがこりを引き起こす原因だとしても、仕事であれば仕方ない場合が多いと思います。そういう場合にはずっと同じ姿勢で続けるのではなく、途中で休みを入れながら筋肉をほぐすことで血行不良を改善しましょう。
1時間の作業ごとに、筋肉をほぐすために背伸びをしたり、状態を反らして血行の流れを改善するようにするだけでも、血行不良の予防になります。
運動をする
ストレスによる交感神経の乱れが血行不良につながることもありますので、日頃からストレスを溜めない生活をすることも大切です。
また、首や肩がこりやすい人は運動が苦手だったり、普段からほとんど運動をする習慣がない人が多いです。毎日少しずつでも体を動かして筋肉をほぐすようにすると、ストレス解消にも繋がります。
慢性的にこりを感じていると、それが原因で体を動かさなくなり、悪循環につながることも考えられますので早めに改善していくのが良いでしょう。
まとめ
肩こりなどのこりの主な原因は血行不良によるものが多く、予防・改善をするには、日頃から血流を促す必要があります。
血行促進に効果的なのは、筋肉の緊張をほぐすことや、体を温めること、体勢・姿勢に気をつけること、運動をすることなどが挙げられます。
ただし、場合によってはこれらの改善方法を試しても効果がでないこともあるかもしれません。そのときは一度、整形外科などの医療機関を受診するようにしましょう。