ロジカルシンキングという言葉を聞いたことがありますでしょうか。ロジカルシンキングは日本語で論理的思考と訳されることが多い言葉で、論理的に会話を構築し、わかりやすく物事を説明することが出来るスキルのことを指すようです。考える力とも言えるでしょう。
これを理屈で人との会話を攻撃して追い詰める、と言う人もいますが、実際にはそういうことではありません。
複雑に絡まりあった物事を解きほぐし、メインになるのは何かをしっかりと判るように説明できるなので、喧嘩腰で相手を論破するというのとは違います。
この記事の目次
会社で使える論理的思考
例えば目の前に上司がいて、新しい企画を説明したいとします。上司を説得して許可を貰いたい、そのような場面は日常でよく出てくるのですが、こういうときにはやみくもにいいたいことだけを言えばいいのではありませんよね。
前置きが長すぎると「何が言いたいのか」と聞かれますし、結論だけであとは言わずにいれば「その根拠となる理由は?」と聞かれます。
短時間で自分のいいたいことを言い、相手を納得させたいときにはこのロジカルシンキング、論理的な思考力が必要となるのです。
仕事のアイディアや企画であれば、まずは結論を先にいうことです。その後でその理由を説明するという流れ。ここで上司から反論や疑問がおこればそれに丁寧に答えます。
順序だてて説明していくことで理解は得られやすくなります。状況が変わればロジカルシンキングの使い方も変わるのは理解出来ますよね。
スケジュール管理でも使える論理的思考
例えば一斉に様々な用事が多発した場合、混乱してしまうこともあるでしょう。そういう時にも思考力を使うのです。
まずは全ての用事を紙に書き出して、何をいつまでにすべきなのかを整理してください。それから時間が短い順からどうやれば一番早く片付けられるかを考えます。
そして次の予定、その次の予定、という風にうつっていけば混乱状態からは脱出できて物事もスムーズに片付きます。
何から手をつければいいか判らないという状態が更なる混乱を生み出しますから、まずは自分の頭を整理すること。そうすれば自ずと今やらなくてはならないことが判ってきます。
このように順序立てて物事を考えることの出来る力をロジカルシンキングというのです。この思考力を自分のものに出来ると、物事を漏れなく効率的に処理することが出来るようになりますから、日常の様々なことがスムーズにいくようになるでしょう。文章を書く上でも人に説明する上でも役に立つこと間違いなしです。
考える力がある人の生活
ロジカルシンキング、論理的思考はどんな仕事にも生かすことが出来る上、人間関係や自己実現にも役立つ技術です。
ではロジカルシンキングを使うことでいかに人生のあらゆる場面でスムーズにいくかを見てみましょう。
面接でも簡潔に伝わる
例えば、就職活動や面接などで大変役に立ちます。学校や職場などで長い間一緒にいると人の良い面や粗い箇所がわかってきますよね。
ですが就職活動や面接では、自分の売り、よい面を短時間で見せてみなくてなりません。そういう時に論理的思考を使うのです。
自分自身の強みをうまく売り込み、相手の質問の意図を正確に汲み取り、それに対して簡潔に答える、そういうことが出来るようになります。面接官に理解されやすいプレゼンをすることが必要なので、論理的思考を使いましょう。
文章の書き方が変わる
そしてロジカルシンキングは文章や論文といった文書でその価値を発揮します。相手がいれば反応をみながら話すことは出来ますが、紙に書く文章ではそれが出来ないからですね。
何が言いたいのか判らない文章を書けば、相手は途中でやめてしまうかもしれません。最後まで読ませるわかりやすい文章を書ける、それは間違いなくあなたの強みになります。
また、友人や家族からの悩みごとの相談にも役に立ちます。相手は混乱状態にあるわけですから、なぜその問題が起こっているのか、どうしたら解決するのかを論理的思考を使って考えましょう。
相手に冷静さを取り戻してあげられる力になります。そして、人生における自分の目標を達成することが容易になります。定めた目標にむかってどうすれば最短距離で到達できるのかを考える力が身についているからです。
「あれを達成するためにはこれを」「これを達成するためにはそれを」という風に細分化して考え、今の自分が何をすべきかを理解します。そうなればあとは一つずつ潰していくだけで、目標は達成できるでしょう。
このように、ロジカルシンキングを身につけると大幅に問題解決能力がアップし、人への説得力も増します。相手の共感を得られたら、営業でも成功は間違いなし。仕事をすすめていく上で大切な会話力は飛躍的にアップするでしょう。
人は一人では生きていけません。必ず誰かとの共同作業が必要になるのですから、相手に自分の考えや希望をぐいぐいと押し付けるだけでなく、納得して協力してもらえるようにしましょう。
ロジカルシンキングは難しい技術ではありません。自転車に乗ったり車に乗ったりするように、練習をして自分のものにしましょう。
考える力を身につけるためにできること
では、ロジカルシンキング、論理的思考を身につけるにはどんなトレーニングをすればいいのでしょうか。いくつか紹介しましょう。
まずは、会話の仕方です。物事には順番があるように、会話にもこれを抑えておけば問題は少ないという構成があるのです。
1.結論から話す
現代人は皆忙しく、自分に興味がないことは話しをすることすら面倒くさいと思ってしまうものです。そんな相手に伝えたいことがある時は、因果関係を考慮してまずは結論から述べることです。
その後でなぜなら、という説明文をつけるようにしましょう。結論から言えないという状態であれば、そもそもあなたは自分が言いたいことがわかっていないということになります。
2.理由を整理する
とにかく結論を先に言えるようになれば、次は理由を説明しなければなりません。理由を説明するにはそれを掘り下げて考える必要があります。
何かが起こったときには理由や原因が一つであることは滅多にありません。物事は複雑に絡み合い、いくつかの要因があるのが一般的でしょう。なので、その中から自分はこう思うからという理由を探します。
いくつもある理由の中から優先的なものを取り出すと、結論はこうで、その理由は3つあります、という風に会話を繋げられます。そうすると相手は、そうか、では聞こうかなという体勢に自然になれるのです。
3.紙に書いて整理する
頭の中だけで膨大な理由を考えることは難しいことですし、余計に混乱が深まってしまう恐れがあります。そんな時には視覚化しましょう。
書くという行為は左脳を使って行うことなので、余計な感情が入らずに出来るのです。そこら辺の紙でいいので問題を書き出します。そして理由も書き出します。
紙の上ではバラバラでも一度に見ることが出来るので、こうならこうだと順序立てて組み立てることが出来ます。すると結論からの理由、更にその理由も細分化して理解出来るようになるでしょう。
紙を使って思考を整理するときには1つの理由に対して5回ほどの「なぜ」を書きだしてみましょう。それがトレーニングになります。
4.説得力をあげるためにデータを集める
どれほど論理的に説明してみせたところで「それはあたなの一意見だよね」と言われてしまっては何もなりません。説得材料のデータを集めることは大切です。
論より証拠と言われるように、納得出来る視覚化されたものがあれば人間は簡単に共感できるのです。これを何度も繰り返せば、ロジカルシンキングは必ず身につきます。コツを抑えてトレーニングしましょう。
まとめ
論理的な思考ができるようになることは「自分の意見をしっかりと持つ」ことにも繋がるといえるのではないでしょうか。
論理的な考えを積み上げて行動をとることができれば、その行動に意味を持つことができ、それが何に繋がるのかが明確になります。何のために何をするのか、それは目標のために正しいことなのか。
本当に正しいかどうかは分からないかもしれませんが、少なくとも自分の中では正しい考え方を見つけることができ、自分の行動や意見にも自信がもてるでしょう。
特に何か大きな目標がある人には、このロジカルシンキングができるようになると、無駄な遠回りをして時間をかけることなく目標に到達できるかもしれませんね。
ロジカルシンキングはコミュニケーションにも役立つことばかりなので、あなたも日頃の話し方から意識していくことから始めてみませんか。