不意に、まぶたが痙攣してびっくりしてしまうことはありませんか。右目だけ、左目だけと、その症状は人によって違うようです。痙攣する頻度や長さを気にして、「何かの病気なのでは…」と、不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。
「筋肉が痙攣しているだけだろう」と気にも留めない方も多いと思いますが、その原因はどうしてなのか気にはなりませんか。
今回は、ふとした時に起こるまぶたの痙攣について、分かりやすく解説していきます。
この記事の目次
まぶたが痙攣する理由
まぶたがピクピクと痙攣するといった症状は、おそらく多くの人が体験したことがあるでしょう。
この現象のことを「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」と言い、無意識に起こるため自分で止めることができません。果たして病気の症状なのかどうか気になると思います。
まずは原因についてご説明いたします。
痙攣する原因
残念ながら、頑健痙攣は大半の原因は不明です。
その仕組みははっきりと解明されていませんが、まぶたを閉じたり開いたりする仕組みに何らかの異常が発生してしまっていると考えられています。
まぶたを閉じる際には顔の表情を作る顔面神経と言われる神経が使われています。これを動かすよう指示を出している脳に異常が出てしまうと、痙攣を引き起こす場合があります。
また、血液が循環する際の脈により血管が神経に触れ、神経過敏となって痙攣が起こる場合もあります。
原因不明な痙攣が長引く場合、医師の診察を受けることをおすすめします。
安心してください。その症状は病気ではありません
まぶたの痙攣の原因で一番多くみられるのは、主に片方だけの下まぶたが痙攣を起こす『眼瞼ミオキミア』です。
この眼瞼ミオキミアとは眼の疲労やストレス、睡眠不足などから引き起こされます。ですので、目を十分に休めるようにすれば症状は改善されるのです。
パソコンの画面やスマートフォンの見すぎでも眼は疲労を感じます。これを「VDT症候群」と言います。眼の疲れは肩こりにも及びますので、1日の疲労をしっかりと取り除いてあげるケアが大切です。
眼をホットタオルで温めてあげると、血行の流れが良くなり眼のコリがほぐれて効果的です。逆に、眼に炎症や充血が見られる場合は冷ましてあげると良いでしょう。
仕事でパソコンを使用される場合には、こまめに休憩を挟むことも大切です。遠くを眺めることや眼を閉じることで休ませることができます。
また、睡眠不足も大敵となります。眼の疲労だけではなく、身体的な疲労を取り除く妨げとなってしまいますので、十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。
違和感を感じる場合は病気の可能性も!?
眼瞼痙攣の原因は不明ですが、「パーキンソン病」「脳梗塞」などの疾患によって引き起こされている場合があります。また、精神疾患患者にこのような症状を持つ方が多くあります。抗うつ剤や抗不安剤といった薬を服用されている場合は、それらが影響している可能性もあるのです。
ピクピクと痙攣するだけではなく、眩しくて眼が乾いてしまう・眼を開けていられず閉じてしまうという症状がある場合は、専門医に診てもらうことを強くおすすめします。ドライアイと間違えられやすいのですが、重症となってしまうと眼を開けられなくなってしまうこともあるからです。
顔の片方が痙攣する場合は要注意
顔面の片側が痙攣する症状のことを「顔面スパスム」と言います。これは、神経中核部である脳幹(のうかん)で、顔面神経と血管が接触することが原因で起こります。
この症状は中年以降の女性に多く見られ、初めはまぶたの痙攣のみの場合でも、症状が進行すると頬や口角なども痙攣し始めます。そして、次第に持続時間が伸びていき、それは寝ている時に及ぶこともあります。
この症状のほとんどが顔面の片側のみに起こり、緊張しているときや、眼・口を動かしているときに起こりやすくなります。
また、これらの症状と似て異なる症状で「チック」と呼ばれるものもあります。これは子供に多く見られ、主な原因は強い緊張やストレスで引き起こされる痙攣です。
右まぶただけ、左まぶただけの痙攣は?
片側の痙攣は顔面スパスムと関係がありそうですが、顔面スパスムはその名の通り、顔面の片側に痙攣が起こります。右まぶたのみ、左まぶたのみの痙攣の場合は、上記にご説明した眼瞼ミオキミアの可能性が大きいでしょう。
しかし、一番確実なのは医師の診断を受けることです。正しい判断と処置を受け、症状軽減を目指すと良いでしょう。
不快な痙攣を引き起こさないために必要なこと
まぶたの痙攣が引きおこされる原因には、血行が悪いことが考えられることをご説明いたしました。血行を悪くさせる要因には、ストレス・疲労・パソコンやスマートフォンの見すぎ・睡眠不足の他にも考えられるものがいくつかあります。
カフェインのとりすぎ
コーヒーなどに含まれるカフェインを摂取しすぎると、神経が高ぶります。そうすると神経と血管が接触し、痙攣を起こしやすくなってしまいます。
アルコール
アルコールはビタミンを破壊してしまうため、痙攣が治まらず、お悩みの場合はしばらく控えたほうが良いと言えるでしょう。
タバコ
喫煙者からすれば一服すると気持ちが落ち着くのだと思いますが、タバコは神経を高ぶらせる要因となります。対処法の一つとして、吸う量を減らしたり禁煙を試みることもおすすめします。
急に起こる痙攣を止める方法は?
それでも不意に始まるまぶたの痙攣ですが、どうにかして止める方法はないのでしょうか。
即座にピタッと止まるといった方法はありませんが、効果的なツボをマッサージすることで痙攣を静めることができます。
効果的な5つのツボ
マッサージする際には、痛気持ちいいぐらいが丁度よい力加減です。クリームやオイルなどを使用し、リラックスしながら行うと良いでしょう。
痙攣を抑えることができるツボは下記のとおりです。ゆっくりと時間をかけてマッサージをしてみてください。
晴明(せいめい)
目頭と鼻の骨との間辺りにあります。眼が疲れたときに押したい場所にあるので一番分かりやすいと思われます。
四白(しはく)
まず、まっすぐ前を見てください。瞳から真っすぐ下にいくと、眼の下の骨があるのが分かると思います。そこから親指半分ぐらい下がった場所にツボがあります。
絲竹空(しちくくう)
眉毛の外側を上下に動かしてみましょう。そこにある骨のくぼみがツボになります。
下関(げかん)
もみあげの少し前あたりにあります。口を閉じているとくぼんでおり、開くとくぼみがなくなります。
翳風(えいふう)
耳の後ろにある少し出っ張った骨と、耳の付け根との間にあるくぼみがあります。そこの間にツボがあります。
まとめ
まぶたの痙攣は不快感がありますし、あまりに頻繁に起こると不安になってしまいますが、大抵の原因が眼の疲労であるということがお分かりいただけたかと思います。
すぐにでも実践できる方法は、眼を休めることです。スマートフォンが普及し、ゲームアプリでストレス発散をされている方も多いかと思いますが、時には何もせず眼を閉じ、心身ともにリラックスしてみるのも良いのではないでしょうか。
どうにも症状が改善されない場合やまぶた以外も痙攣するといった場合は、他疾患からの影響も考えられます。ご自分で判断される前に、一度きちんとした診察を受けることもおすすめします。