最近のスーパーでは、パスタ料理が簡単に作れるパスタソースの種類も増えてきており、料理自体は手軽になってきたといえるかもしれません。
しかし、パスタを作る際は茹で時間が10分以上かかるものも多く、大きな鍋で大量のお湯を沸かす時間も考えると更に時間がかかります。遅い時間に仕事から帰ってきた一人暮らしの人にとっては、そこから時間をかけて料理をするのは難しいものです。
そんなデメリットを解消してくれる画期的なパスタの調理方法、それが「水漬けパスタ」です。茹でている時間が圧倒的に時短できるので、ガス代・電気代を節約できるのはもちろん、おいしく仕上がるというメリットもあります。
この記事の目次
水漬けパスタとは
水漬けパスタというのはその名の通り水に漬けたパスタのこと。通常のパスタ作りにはまず大きな鍋にたっぷりのお湯が必要となります。熱湯をぐらぐらと沸かした後、パスタを投入しかき混ぜながら時間まで待たなければなりません。暑い夏場などは作る気が失せてしまうでしょう。
水漬けパスタのやり方
水漬けパスタの場合は、鍋は必要なく、パスタが入るだけの大きさのケースで十分です。入るならば角型のタッパーに入れてもいいですし、100円ショップに行けばパスタ保存用のケースも見つかります。
そこにパスタが浸かる程度の水を入れるだけでいいのです。水の量の目安としては、パスタ100gに対して300ml以上が目安となります。フタかラップをしたら冷蔵庫に入れておきましょう。麺がゆっくりと水を吸っていきほどよい硬さになるのです。
浸水時間もパスタの形状によって変わるものの、1.4mmサイズなら1時間、1.7mmサイズなら1時間半、1.9mmサイズなら2時間は漬けておくようにしてください。
その時間になったら必ず取り出しましょう、というわけではありません。それよりも長い時間漬けておくようにすれば大丈夫で、なんと1日程度なら漬けっぱなしでも問題無いのです。
水漬けパスタのメリット
このことから、あらかじめ水につけるだけの準備さえして入れば、パスタの茹で時間やお湯の沸騰時間を気にする必要がなくなるということになります。
思い立ったその場で作ることができないというのはデメリットはあるものの、昼食や夕食で食べる予定ならば、朝にパスタを水につけておくだけで昼食・夕食時にはすぐに調理が可能となるのです。
1時間や2時間以上、水漬けして戻したパスタは水を切って冷凍にすることもできます。どうせなら何食分かを一度に戻しておくと便利です。それを1食ずつ小分けにしておけば、ストックも簡単ですので、忙しい方ほど試して欲しい時短レシピなのです。
肝心の味はどうなの?
どんなに時短で手軽になったとしてもおいしくなければ意味がありません。でも安心してください。水漬けパスタは普通に茹でたパスタとは少し違った味わいになりますが、むしろ水漬けした方がおいしいという方も多いのです。
通常、自宅で食べるパスタは一度乾燥させた乾麺を指定の時間だけ茹でて戻しますが、長い時間をかけてじっくりと水で戻すことにより、まるで生めんのようなもちもち感が生まれます。
弾力もしっかりしており、麺を放置してしまったときの伸びた感じはありません。麺と麺がくっついてしまうことも無いです。ソースにもよく絡むので、本格的なレストランの味が楽しめます。
アルデンテ(歯ごたえのある茹であがり)にこだわりながら、何分もキッチンの前に立っている必要はありません。水に漬けるだけですからお料理が苦手な人でも簡単です。ぜひ試してみてください。
水漬けパスタの調理の時短術
温めは短時間でOK
水漬けパスタの時短で本格的な味を手軽に試したいというなら、様々なパスタソースを利用してみましょう。
お湯につけて温めたソースの中に麺を入れるだけでも出来上がるのですが、それだとソースは温かく、麺は冷たいという微妙なパスタ料理になってしまいます。
それを解決する方法として、フライパンにパスタソースを開け、水漬けパスタを一緒に入れて温めながら絡める方法がおすすめです。
このときは温めるだけなので大した時間はかからないはずです。すでに柔らかくなっている麺なので、できるだけ短時間で仕上げたほうが食感が生きます。1人前か2人前ずつ少量で作るにはぴったりの方法です。
火を入れないソースの場合も100ccほどの水で麺を炒めてからソースと絡めましょう。炒める時間は40秒ほどで大丈夫です。火を通すことで白から透明になりおいしそうなパスタができあがります。
冷凍にしておいたパスタであっても1分、小さめの鍋でも2分から3分程度茹でるだけで食べられるようになります。
冷凍の際の工夫
長期間置いておくことになるので、冷凍パスタを作る際にはオリーブオイルで和えておくほうがよいでしょう。
1玉ずつ小分けにして小さめのタッパーに入れて凍らせておくと調理しやすいです。空気と触れた部分は冷凍する際に白く硬くなっておいしくなくなる可能性も。
タッパーに入れてただ蓋をするのではなく、パスタの上の面にラップを密着させておくと良いでしょう。
パスタソースを作る余裕ができる
麺のゆで時間を気にしなくてよく、隣で火を使っているわけでもないのですから、のんびりと自分のペースでパスタソースを作ることもできます。
時間があるときに本格的なパスタソースを一から手作りしてもいいですし、レトルトソースのストックがなかったり冷蔵庫に残っている食材でパパっと作ってしまうのも良いでしょう。
ソースもパスタも作るとなると、考えただけで面倒に思えてしまうような手の込んだパスタ料理でも、時短の水漬けパスタを活用することにより、手間が軽減できます。
水漬けパスタの注意点
水漬けしたものは必ずその日のうちに調理するか、冷凍するかの処置が必要になります。そのまま何日も放っておくのはやめましょう。特に夏場は必ず冷蔵庫に入れておかないと大変なことになります。
水につけておく時間や水の量なども、正確にはパスタの種類によって異なるため、微調節をしていくと良いでしょう。水が少なすぎてアルデンテどころか硬い部分がいっぱい残ってしまうことのないよう、十分に浸水させてください。
ゆで時間を利用してパスタソースを作っていたという方や、茹で汁をソースに加えるレシピを活用していた方は、ちょっと調理法が変わってくるので事前に頭の中でシュミレーションしておきましょう。
せっかく朝から漬けておいた麺なので、おいしくいただきましょう。
まとめ
水漬けパスタは本当にお手軽です。時間や手間が必要だったパスタの大革命です。さっそく今日から試してみませんか。
要領よくパスタとパスタソースを作ることができるという方でも、水代ガス代が節約できてエコにつながりますし、何より手間をかけないほうがおいしく仕上がるのですからやらない手はないでしょう。
めんどくさがりやさんにも本格志向の方にも、どちらにもおすすめのメリットたっぷりの調理法、それが水漬けパスタなのです。