寝る前の飲食は体に悪いとう話をよく耳にしますが、仕事などで夕食の時間がズレたり、夕食後にお腹が空いて眠れなくなったりするときがあると思います。
そういうときは、どうしても寝る前に食べたくなる時、飲みたくなる時ってありますよね?
今回は寝る前の飲食が体に悪い理由と、寝る前に食べることで体に良い効果があるもの、寝る前に飲むことで体に良い効果があるものを調べてみました。
この記事の目次
寝る前の飲食が体に悪い4つの理由
①太る原因になる!
寝る前の飲食が太る原因になるのは本当の話です。人間は消費できないカロリー分太っていく動物です。
寝る前に飲食をしてしまうと、寝ている間は胃腸の働きが鈍くなっているため、摂取した食べ物をなかなか消費できません。消費できなかったものは、余分なカロリーとして体に蓄積され、体重が増えていくというわけです。
「寝る前の3時間は飲食をしない方が良い」と言われるのも、寝るまでに胃の中を空っぽにしておく時間を計算してのことです。朝起きた時にはお腹が空いていて、きちんと朝ごはんを食べられることが健康な状態だと言えるでしょう。
②睡眠の質が下がる!
寝る前の飲食は睡眠の質を下げると言われています。睡眠は体全体を休息させるために行う行為ですが、胃腸に食べ物が残っていると、胃腸は少なからず働き続けます。
これにより脳やあらゆる消化器が、本来休んでいる時間でも消化に労力を使います。その結果体全体が休まらず、良質な睡眠が取れない事態を招いてしまうのです。
朝起きた時に疲労感やダルさを感じたら、夕べのことを思い返してみてください。スッキリしない原因は、寝る前の飲食が原因かもしれません。
③胃腸へのダメージ!
寝ている間は胃腸の働きが鈍くなっていることを説明しましたが、睡眠時に胃腸を働かせるということは、胃腸に大きな負担をかけていることになります。
また、消化不良の原因にもなり、長い間この状態を続けていくと「逆流性食道炎」「消化性潰瘍」「過敏性腸症候群」などの病気になる恐れもあります。
④肌へのダメージ!
肌の成長を促す「成長ホルモン」は「若返りホルモン」とも呼ばれ、入眠間後3~4時間(22時~2時の間という説もあります)に最も多く分泌されると考えられています。
「成長ホルモン」の分泌は睡眠の質とも深い関係があり、熟睡していない状態では、肌の修復に必要な量の「成長ホルモン」が分泌されません。美肌を保つには日々質の良い睡眠が必要であるため、寝る前の飲食が肌に良くないということになるわけです。
寝る前に食べるなら?飲むなら?
寝る前の飲食が体に悪影響を及ぼすことは分かりましたが、毎日寝る前の飲食を我慢するのはとても根気がいることです。我慢し続けてストレスが溜まり、寝る前の暴飲暴食が習慣になってしまっては意味がありません。
ここからは健康面も考えながら「寝る前に食べるなら」「寝る前に飲むなら」をテーマに考えていきます。
寝る前に食べるなら
どうしても寝る前に何か食べたくなった時、覚えておきたい2つポイントがあります。
まず1つめは「胃に負担がかからないものを食べること」です。睡眠中は胃腸の働きが鈍くなるので、なるべく消化の良いものを選んで食べるようにしましょう。
2つ目は「食べてしまった日も睡眠時間は削らないこと」です。寝る前に何か食べてしまったからといって「ここから3時間起きていよう」と頑張り、睡眠時間を削ることはNGです。日々自分にとって最適な睡眠時間を確保することは、健康上最も大切なことなので、食べてしまった日もいつもどおりの睡眠を取りましょう。
それでは寝る前に食べるならどのようなものを選べば良いのかを紹介していきます。
果物
果物は消化が良いものが多く、甘さから少量でも満足感を得ることができます。お勧めなのはバナナと摩り下ろしたリンゴです。
バナナには精神をリラックスさせる脳内の神経伝達物質「セロトニン」が多く含まれており、カロリーも1本で86カロリー程です。
リンゴには「ペクチン」という果物や野菜などに含まれる食物繊維の一種が多く含まれています。「ペクチン」は腸内の善玉菌や乳酸菌を増やし、腸内の環境を整えてくれるため、睡眠時の消化を助けてくれる食べ物であると言えるでしょう。
ヨーグルト
ヨーグルトと言えば朝に食べるものという印象が強いですが、最近では寝る前に食べることでダイエットに効果があるということが分かってきました。寝る前にヨーグルトを食べると、ヨーグルトに含まれる「痩せる腸内細菌」を増やすことができるそうです。
「寝る1時間前に食べること」と「フルーツやハチミツと一緒に食べること」で効果が上がるとも言われています。血糖値が上がらないように無糖のヨーグルトを食べると良いでしょう。
お粥、雑炊
どうしてもご飯が食べたくなった時は、お粥や雑炊で我慢しましょう。少量でも満腹感が得られ、体を温める効果もある消化によい食べ物です。雑炊を作る際は、いつもより煮込む時間を増やすと良いでしょう。
ハチミツ
ハチミツは寝る前に摂取することで「成長ホルモン」の分泌を活発にし、便秘解消、脂肪燃焼などの効果が得られるそうです。また、ハチミツには「ビタミンB群」や「ミネラル」が豊富に含まれており、肌の調子を整える効果があるとされています。
寝る1時間前くらいに「大さじ1杯」の量を目安とし、そのまま食べられない場合はお湯などに溶かして飲みます。ハチミツを購入する場合は加糖のものではなく「純粋ハチミツ」と記載があるものを選びましょう。
寝る前に飲むなら
ホットミルク
睡眠には「メラトニン」という脳内ホルモンの分泌が深く作用しています。そして「メラトニン」を分泌させる為には、脳内の神経伝達物質「セロトニン」を増やす必要があります。さらに「セロトニン」を作り出すために必要な材料となるのが「トリプトファン」というアミノ酸と「ビタミンB6」です。
牛乳にはこの「トリプトファン」というアミノ酸がたくさん含まれていることから、睡眠を助ける飲み物であると言えます。牛乳が苦手な人は、豆乳にも「トリプトファン」が多く含まれているので代用できます。
ホットココア
ココアには「テオブロミン」という「アルカロイド(植物体に存在する窒素を含む特殊な塩基性成分の総称)」が含まれています。「テオブロミン」は自律神経を整える成分であるため、摂取することでリラックス効果を得ることができます。
スープ
塩辛い飲み物が飲みたい時はスープがお勧めです。体が温まることはもちろんのこと、カロリーが低くても満足感が得られます。ポタージュ系のスープや刺激が強い辛いスープなどは選ばないようにしましょう。
寝る前に食べない(飲まない)方が良いもの
スナック菓子やインスタント食品
ポテトチップスやカップ麺など、手軽さからつい食べてしまいがちですが、油がたくさん使われているものが多く、カロリーも高めです。
カフェインが含まれているもの
カフェインを150mg以上摂取すると、睡眠に影響が出ると言われています。コーヒーや玉露など、カフェイン含有量が多い飲み物は飲まないようにしましょう。栄養ドリンクやチョコレートにもカフェインが含まれていますのでご注意を。
アルコール
アルコールを摂取すると、興奮作用がある「ドーパミン」という脳内の神経伝達物質が分泌され、深い眠りの妨げになります。さらにアルコールには利尿作用もあり、睡眠の途中で起きてしまう可能性も高まります。
お酒を飲んでぐっすり眠れたと思っても、それは脳の中枢が麻痺しただけであり、良い睡眠ではありません。寝る前の飲酒、寝るための飲酒は習慣にしないようにしましょう。
まとめ
寝る前の飲食は、必ずしも体に悪影響を及ぼすものばかりではなく、寝る前に摂取することで健康に良い食べ物や飲み物もあるということは意外だったかもしれません。
寝る前の空腹は毎日訪れるものではありませんが、空腹に勝てそうにない時は健康に良いとされる食べ物や飲み物を口にすると良いでしょう。
またこれらの食品や飲料は常備食として家に置いておき、「寝る前の空腹を救うお助け食」として家にストックしておくと良いかもしれません。