スマホは撮影の知識が無い人でも簡単に写真を撮ることができます。今や、一眼レフを持ってなくても、かなり品質の高い撮影が可能となりました。一眼レフと比べて有利である、持ち歩けることを最大の武器として、良い撮影がしたいものです。
良い撮影のためには、ピント合わせや撮影モード、焦点距離などの難しいことは考えずに、構図に集中して撮影することがコツです。さらに光が当たる方向を意識すると、撮影の質はまったく違ったものとなります。
インスタ映えという言葉も流行っていますが、見た人が感動するようなフォトジェニックな写真には、それだけの工夫や努力があるものなのです。
この記事の目次
これだけは意識したい撮り方のコツ
構図を意識することが大切
スマホで良い写真を撮るコツは、構図を考えることです。どんなに機能が便利になっても、何をどこに持ってくるかの構図は、自分で決めなければなりません。
構図を決めるにあたって便利なのがグリッド(マス目状の線)です。設定によりグリッドを出すことも、隠すこともできますが、良い写真を撮るためには、グリッドを出して撮影すると良いでしょう。
注目する主役を決める
写真は1枚の絵とも考えることができます。1枚の絵では、主役は一つにする必要があります。被写体を一つに絞り、それ以外は背景として扱うようにしましょう。
初心者が撮る多くの作品では、主役となる被写体が一つに絞られていません。そのためテーマがボケてしまい、見る人に感動を与えることができません。
背景と主役のバランスを考える
主役となる被写体を決めた場合でも、背景を粗末に扱ってはいけません。背景は主役である被写体を引き立てるために重要な意味を持ちます。
撮影では主役となる被写体を選び、主役を引き立てる背景にも十分に注意を払うことが必要です。
また、主役となる被写体は大きく写せば良いというわけではありません。主役の被写体は、全体の1/3程度に留め、後は背景とするのが良い構図と言われています。
テーマによっては被写体を小さくすることもあるので、その大きさにとらわれることはありません。
カメラアプリの設定を確認する
スマホでも、カメラアプリを使って、最低限の設定をする必要があります。
解像度は最高にしておくのが良いでしょう。保存で容量をとらないように圧縮率の機能が付けられていますが、ノイズが入らないように、最低にしておくことが必要です。
ホワイトバランスは、一眼レフに近い写真を撮るためには必要な機能です。ホワイトバランスの設定は、太陽光モードや曇りモード、白熱電球モードや蛍光灯モードなどに分かれているので、目的に応じて使い分けなければなりません。
ホワイトバランスは自由に設定して良いので、白熱電球の元では必ず、白熱電球モードを使わなければならないということはありません。
ピントは完全自動のものと、自分で選べるものがあります。ピントをどこに合わせるかは、良い撮影をするために選択肢を与えてくれます。なるべく自由にピント合わせができるようにし、高品質の画像をつくりたいものです。
フラッシュの使用は極力避けたほうが良いでしょう。フラッシュの光は強力で、しかも調整が利きません。なるべくフラッシュの必要が無い、明るい場所で撮影することが望まれます。
もしもフラッシュを使う必要の在る場合は、ライトの部分にティッシュペーパーをかぶせ、光の調整をすることが効果的です。カメラアプリの設定が終わったら、撮影が可能となります。
撮影の準備と工夫
撮影前にはレンズ部分に付着している汚れをふき取り、画質を妨げないように準備が必要です。写真の撮影では、手振れの心配があります。手振れのそもそもの原因は、心臓が動いていることです。
手振れには周期があるので、心臓の動きに合わせて、手振れの影響が無い撮影が望まれます。シャッターボタンはゆっくりと押すことが、良い撮影をするためのコツです。
ワンランク上の撮り方のコツ
スマホ写真でも撮り方によっては、一眼レフに迫る高品質の写真を撮影することができます。それには出来る限り搭載されている機能を使い尽くすことが、良い撮影をするためのコツです。
機能を最大限に活かす
一眼レフで撮影したような写真を撮るためのコツは、状況に応じて設定を変えることです。花に接近して撮影する場合は、フォーカスモードを接写モードにするなど、設定を変えることが大切です。
特に最近のスマホはインスタなどのSNS映えが意識されているのか、かなりの高機能が付いているため、使わなければ宝の持ち腐れとなります。スマホでも一眼レフに負けない撮影が可能です。
ぼかしでかなり変わる
そのためには、一部にだけ焦点をあて、それ以外をぼかす技術が必要です。写真での焦点は、1箇所にだけ当てることができると考えられがちですが、その表現は正確ではありません。
焦点は一点ではなく、一定の奥行きの範囲内であればピントが合って見え、その範囲外のものをぼかすことができるのです。焦点が一定の奥行きをもっていることを、被写界深度と言います。被写界深度を十分に理解していれば、一眼レフで撮影したような写真が撮れます。
しかしそれは簡単なことではありません。撮りたいものにできるだけ近づくなどして撮影し、被写体は被写界深度内、背景は被写界深度外になる構図を撮影者が動いて探す必要があるのです。
さらに、接写モードを使うことと、タップした場所にピンポイントでピントを合わせるカメラアプリを使用することにより、一定の部分にフォーカスし、他の部分をぼかした撮影が可能となります。
このようなことができるアプリは有料のものが多いですが、一眼レフを購入することに比べたら安い買い物かもしれません。
HDRを状況に応じて使う
さらにスマホでは、HDR機能すなわち、ハイダイナミックレンジ合成機能が使えます。
HDR機能とは、風景撮影などにおいて、明るさの異なる写真を3枚撮影し、合成する機能です。風景写真は明るさの調整が難しいものですが、この機能を使うことで、目で見た光景と近い画像をつくることができます。
この機能は屋外での風景撮影ばかりでなく、夜景の撮影や花火の撮影にも使うことができます。スマホは自動で簡単な撮影が可能ですが、マニュアル撮影も可能です。
マニュアル撮影には一定の知識が必要となりますが、一つ一つ覚えていけば、撮影の技術が飛躍的に向上します。マニュアル撮影では、ピント位置や明るさ、ホワイトバランス等の調整が可能です。
これらを目的合わせて調整することにより、一眼レフに近い撮影が可能となります。
フォトレタッチで修正する
画像編集機能を使えるのも便利です。画像編集機能によりレタッチが簡単にでき、撮影時ではできなかった部分や間違った部分に手を加えることができます。
レタッチはフォトショップなどの画像専用のソフトを使う方法もありますが、機能が限定されたスマホアプリによる修正のほうが、楽な場合もあります。使うことのできる機能を全て利用することで、一眼レフと同じような本格的な撮影が可能となるでしょう。
まとめ
スマホでの写真撮影は、ほとんどの部分を自動で撮ることが可能です。だれでも撮影ができる便利さは、得がたいものがあります。一方、一眼レフのような本格的な撮影も可能です。
一眼レフに負けない撮影をするためのコツは、全ての機能を使い尽くし、アプリを積極的に利用することです。中には有料で高機能なアプリも用意されています。
それらを十分に使いこなせば、素人の域を超えた本格的な撮影を楽しむことができます。全ては使い手の意識次第で、撮影の可能性が広がります。
インスタなどのSNSで多くの人の目に触れる写真であるなら、渾身の一枚を目指してみましょう。