集中力のある人は、作業中に声をかけても気が付かなかったり、時間の間隔も薄れているものです。しかしそれに伴い、作業がはかどり、高パフォーマンスを発揮することも多いです。
一方、集中力のない人は一つのことだけを考えるということが苦手であり、あれもこれも手を付けてしまって結果を得ることが難しいかもしれません。
この集中力の違いはどのように生じるのか、また、集中力アップにつながるような具体的な方策についてもお伝えします。
この記事の目次
集中力がある人とない人の違い
集中力を発揮できるか否かは、以下の3つのことを重要視しているかどうかで大きく変わってきます。
目標と計画を重要視しているか
集中できる人の第一の特徴は、やることのゴールが見えていることです。逆にできない人は、そもそも着地点が全く見えていません。
最終的にどうしたいのかも見えないまま闇雲に進めたところで、そのやり方が正しいかの判断もできず、時間だけが無駄に過ぎていってしまいます。
ゴールが見えているということは逆算して必要な要素は何か、それを具体化するための実行案とは何か、について考えることができるということです。
集中するための体調を重要視しているか
第二の特徴として挙げられるものは、実はこれが最も重要なことですが、集中するためのパワーがあることです。脳が働かないことには力を発揮することはとてもできません。
十分な睡眠、豊富な栄養の摂取、適度な運動などによって身体が健康的な状態にあることは、集中できるか否かにとても大きく影響します。
集中力のある人は、短時間で効率的に休息をとることができるような、オンオフのはっきりした生活を送っているのです。
また、集中力は精神力や気合いに起因するというような話を耳にすることがあります。たしかに、やる気が全くない状態で集中することはできませんが、やる気だけでもかえって空振りしてしまいます。
本当に集中したいのであれば、きちんと身体を休息させ、脳がリフレッシュできるような状態にすることが重要なのです。
スケジュール管理を重要視しているか
第三の特徴として、その日一日の流れを常に頭に入れていることが挙げられます。限られた時間の中で集中するためには時間の確保がとても重要です。
そのためには一日の流れをあらかじめ考えておく必要があります。タスクに優先順位をつけて今何をすべきか、誰に手伝ってもらうか、休憩はどのタイミングでとるのか、といったことも事前に考えられる人のほうが、作業時間を有意義にすることができます。
これがある程度ルーチン化していれば、もはや毎日難しく考える必要もありません。ルーチン化が難しい場合でも、朝作業に取り組む前のちょっとした時間でなんとなく一日の段取りを考えるだけでも効果があります。
やるべきことが明確になるため、集中できる環境作りにつなげることができるのです。
仕事をしているときは、想定していなかった出来事が起きて時間が取れない状況も考えられます。優先順位を常に考えていれば、今すぐにやらなくてもよいタスクを把握でき、業務調整をすることも簡単になるため、急な作業にも対処しやすいです。
不測の事態にも臨機応変に対応し、浮き沈みなく集中力を発揮させるためには、まずはこれら3つの特徴を意識することが重要なのです。
集中力をアップさせる方法
集中力をアップさせるには具体的にどうしたら良いのでしょうか。
現状の悪循環を把握する
作業の目的や作業内容、優先順位を考えようとしても、既に集中力が欠けている場合には、どう判断したらよいのかも分からないはずです。
そしてそれらを決められずに、モヤモヤを心に抱えたまま作業をしてしまうと、作業ははかどらずに時間だけが過ぎ、今度は集中に必要なエネルギーを回復するための休息まで取れなくなってしまいます。
作業が進まない中、休息をとろうとしても心配事や不安感で心が埋まり、休むことさえもできなくなるのです。
雑念のもとを片付ける
周りのものを片付けることから始めてみましょう。片付けと集中は一見、何の関連もないように見えますが、放り出しっぱなしになっているものがなくなることで、そのものに対する雑念は消えます。
例えば、やりかけのものが目に入ってしまうと、どうしてもすぐに手を付けたくなってしまうため、心をリセットする意味でも片付けを行うのです。
このときに注意するべきなのは片付けだけに集中するということです。これも集中力アップの練習の一つとなります。
とにかく片付けるという強い心をもって、片付けのみに注力して下さい。
どうしても集中できそうにないときには、アラームをセットして一定時間で鳴るようにしてみましょう。アラームごとに自分の状況を確認することで、集中できているか振り返ることができます。
また、片付けにも時間を決めましょう。最初は5分間の集中で構いません。そこから10分間、15分間と、時間を延ばしていくことで徐々に集中する感覚を身に着けましょう。
身体の健康を意識する
身体を動かすことも集中力を高める効果が期待できます。
既に集中力がなくなってしまっているときに、精神力や気合いで集中力を高めるということは不可能に近いです。身体を動かしてみて気分転換を図りましょう。
身体を動かしていないとリンパの流れが悪くなり、血行不良から身体に酸素が行き渡らず、調子が出ないということもあります。疲れて動く気も起きないということもありますが、ストレッチなどの軽い運動で構いませんのでやってみましょう。
また、同時並行で食事の内容も見直してみましょう。偏りのない栄養を摂ることで、より効果を発揮します。
運動や食事、睡眠を十分にとり、健康的な身体を手に入れれば、自ずと力も湧いてきて集中することができるようになります。
作業計画を立てる
作業環境と体調を万全にできたら計画を立てましょう。これはつまり、一連の仕事に対してゴールを決めるということです。
先述の通り、目標やゴールがないと、ただ闇雲に頑張るだけで結果を得ることが難しくなってしまいます。
目標設定をしておけば横道にそれたときにもすぐに気が付くことができ、目標達成のための最短経路を考えることができます。また、目標を立てることで気持ちの切り替えができ、やる気にもつながるため、より集中しやすくなるのです。
目標を立てるときは抽象的なものではなく、できるだけ現実的に達成ができて、達成までのプロセスが明確になるようなものである必要があります。ここを意識しておかないとモヤモヤが残り、結局何をして良いか分からないという事態につながりかねません。
まず仕事の目的は何であるか、それをやるためには何をしたら良いのか、一度、深堀りをして細かい作業内容まで洗い出すようにすると、具体的な作業計画を立てることができます。計画ができればあとは実行するだけですので、作業に集中することができるはずです。
まとめ
このように集中できる人とそうでない人の違いは才能によるものではありません。身体の調子や目標の立て方など、集中できないということは何かしらの原因があります。そして集中できない人ほどそれらを軽視してしまっているのです。
集中力をアップしたい人は一歩引いた視点で自己分析することが大切です。まずは集中できるような環境作りから始め、日々の生活で体調を整え、明確で詳細な計画を立てるようにしましょう。
一日は24時間しかなく、割ける時間にも限界があります。限られた時間の中で高いパフォーマンスを実現するためにも、一度、自分の生活や仕事に対する考えを見直してみてはいかがでしょうか。