梅雨は春から夏にかけて訪れる雨の季節であり、夏の一歩手前に訪れる季節と考えて問題ありません。
梅雨自体は日本特有の気象条件ではなく、中国や韓国などの東アジアでも見られる現象です。
梅雨の時期になると梅雨前線が日本列島で停滞し、そこにオホーツク海高気圧からの寒気や中国大陸からの乾いた空気、太平洋高気圧の暖気などがぶつかり合い、雨を降らせる要因となります。
ここで気になるのは梅雨入りの時期と梅雨明けのタイミングです。
だいたいいつぐらいに梅雨入りとなり、梅雨明けとなるかはとても気になり、イベントやお出かけのタイミングを考える際にも参考にしたいところです。これらにはどのような傾向があるのでしょうか。
この記事の目次
梅雨入りと梅雨明けの時期とは
梅雨入りとなる条件とは
梅雨入りの条件はいくつか存在し、まず気圧配置が梅雨型であることが大前提となります。単に雨の日が続いたというのでは梅雨入りとはなりません。
雨の日が続いたり、日照時間が少なかったりするのも要件の1つではありますが、梅雨と主張する以上は梅雨型の気圧配置であることが求められます。また季節感が問われるというのも忘れてはなりません。
こうしたことからも、梅雨入り、梅雨明けの発表はあくまで速報であり、いつそれが始まり終わるのかが分かるのはだいぶ後になります。
梅雨入りだと思っていたものの実はまだだった、もしくは少し前にもう始まっていたということもあります。
梅雨明けとなる条件とは
一方の梅雨明けですが、梅雨前線が日本付近にないこと、夏特有の暑くて晴れの気候に移行してきたことなどが発表の基準となります。
これに関しては誰でも季節感を持ってこの時期に梅雨明けをしたというのがわかりますが、問題は冷夏と呼ばれる季節が続く場合です。
関東甲信では過去に1回、東北では4~5回梅雨明けが特定できなかった時期がありました。これは夏の暑い時期、晴れた時期が長続きしなかったことが原因と言われています。
梅雨入り・梅雨明けを事前に知るのは難しい
こうした基準というものは明確には存在せず、降水量で決まる、日照時間で決まるということはなく、どちらかといえば抽象的な決め方がほとんどです。
だからこそ、速報と確定の時期がかなり離れているわけですが、そもそも梅雨入り、梅雨明けの発表が報道されるようになったのは約50年前、気象庁の業務として扱われるようになったのは約30年前であり、歴史が浅いことがわかります。
そうしたこともあり、まだ明確な基準を設定するには至っていないのが実情です。
また、梅雨入り、梅雨明けは地方によって異なり、沖縄、奄美地方、九州の北部と南部など12の地方に分けて発表が行われます。このため、同じ九州、東北でも北部と南部によって梅雨入り、梅雨明けの時期は異なり、日時も微妙に異なります。
ちなみに、北海道には梅雨という概念がないため、北海道に関してはどちらの発表も行われません。
明確な基準がないため、実はこのタイミングで梅雨入りだったというのはあります。しかし、あくまで数日のズレであり、速報と確定ではそこまでのズレはありません。
気象庁からの発表があればその時期に梅雨入りした、梅雨明けしたという感覚で話を聞いていれば大丈夫です。
今年(2017年)はいつから梅雨入りか
ここで気になるのは、2017年はどのタイミングで梅雨入りをするかというものです。去年に関して言えば、沖縄の場合は5月16日、関東に関しては6月5日が梅雨入りのタイミングでした。
例年の沖縄の梅雨入りは5月上旬ぐらいが目安であり、去年は1週間遅いタイミングでの梅雨入りとなっています。
関東は6月上旬が例年の梅雨入りのタイミングであり、去年は例年とだいたい変わらないか、少し早く梅雨入りをしたような形になっています。
沖縄の梅雨入りの傾向
沖縄の梅雨入りの傾向ですが、以前は大型連休の期間に梅雨入りをすることも珍しくありませんでしたが、近年は5月中旬にずれ込むことが多く、ここ3年は5月中旬での梅雨入りとなっています。
こうしたことからも5月中旬、5月20日前後に梅雨入りをする可能性が高いことが考えられます。梅雨入りが遅ければ梅雨明けもずれるのかというとそうでもなく、むしろ梅雨明けの時期は早まっています。
このため、降水量は例年より減少傾向となっており、心配されているのが実情です。
関東の梅雨入りの傾向
関東の梅雨入りですが、こちらは平年どおりになることが多く、6月になって間もないタイミングで梅雨入りというのも珍しくありません。場合によっては5月中に梅雨入りをすることもあります。
もっとも遅いタイミングは6月中旬で、その場合梅雨明けは8月にずれ込んでしまいますが、ほとんどそのようなことはありません。
去年は雨が少し少なかったため、水不足の心配がかなり続くこととなりましたが、多くの場合は平均的な降水量の範囲にとどまり、降らないということはほとんどありません。
傾向からの梅雨入り時期の推測
今までの傾向から梅雨入りの予測をすると、関東の場合は6月の1週目ぐらいになる可能性が高いと思います。つまり、5月下旬ぐらいから段々と怪しげな天気となり、6月に入ったら雨の日が段々と増えるような状況になって梅雨入りということが考えられます。
沖縄の場合は5月20日前後、早くても5月2週目ぐらいが梅雨入りのタイミングとなりそうです。ここ数年は早く梅雨入りをしたほうが降水量が期待できるため、早めの梅雨入りをして水不足を気にしないで済むと良いですね。
梅雨に伴う地域の降水量
他の地域については奄美地方のようにここ数年は降水量が多い梅雨になったり、中国地方のように降水量が多くとも平年並みだったりするなど、沖縄の梅雨入りの時期や降水量が他の地域にも当てはまる、明快な関係性はありません。
沖縄と奄美は距離もそこまで遠くありませんが、梅雨入りこそ同じような時期であるものの、梅雨明けは1週間ほど奄美の方が遅くなることもあります。そのため、降水量がその分多くなるという場合があります。
降水量が多すぎても困る
近年梅雨における降水量が際立っているのが九州南部です。梅雨入りは例年5月末、梅雨明けは7月中旬となっています。
しかし、台風シーズンが重なることもあり、ここ数年はほとんどの年で例年より相当な降水量を記録しており、2015年には200%を超える降水量になりました。
1993年にこうした降水量になった時は水害が発生しており、去年も例年の150%近い雨を記録しています。
対策できることは早めに
長期予報を見ると、全体的に平年並みか降水量の多い可能性が高く、梅雨入りに関しても例年と同じ、もしくは早まる可能性も十分に考えられます。
こうしたことから、歴史的に見て遅い時期に照準を定めるのではなく、平年どおり、もしくは少し早めの時期に梅雨入りをする可能性があると思っていたほうがよさそうです。
また、降水量に関しても平年より多い可能性があることを考慮し、今のうちに準備や対策を立てることが望ましいと言えます。
梅雨入りなどの予測というのは非常に難しく、台風の兼ね合いなどもありますが、常に早め早めに考えておくことが得策です。
まとめ
梅雨の時期に突入すると洗濯物の問題や観光や旅行といったスケジュールに大きな影響を与える場合があります。
そのため、地域ごとに大体この時期に梅雨入りがあるであろうというのを前もって知っておくといい目安になり、計画が立てやすくなります。
梅雨入りが異常に早く、異常に長いということはほとんどなく、梅雨入りが遅くて、あっさり終わることもあるため、少なくとも梅雨入りしてから1ヵ月半は梅雨を覚悟したほうがよさそうです。
カビ対策なども今のうちに出来ることは始めてみてはいかがでしょうか。