寝ようと布団に入ったものの、寝方が良くないのか寝つきが悪いという経験がある人は多いでしょう。
仰向けで寝るのが良いのか、うつ伏せが良いのか、または左右どちらかの横向きが落ち着くのかは人それぞれです。
自分が寝やすいと思う体制が一番良いのですが、気付いたら左右どちらかに横向きになって寝ていたという人も少なくないでしょう。
今回は、横向きに寝る場合、左右どちらを下にした方が良いのか、どんな影響があるのかについて詳しく説明していきます。
この記事の目次
右向きと左向きで違ってくること
仰向けやうつ伏せで寝るのが苦手で、左向きまたは右向きで、横向きの姿勢で寝ているという人も多いようですが、その理由は私たちの胎内記憶にあるのかもしれません。
母親の胎内にいる時に私たちは左右どちらかの姿勢の状態のまま過ごしていました。その為、落ち着く姿勢が横向きの姿勢というのは不思議なことではありません。
横向き寝の良いところ
まず、横向き寝によって得られるメリットについて考えてみましょう。
(1)いびきの軽減や、睡眠時無呼吸症候群の予防
(2)アルツハイマーや認知症の原因と言われている脳のゴミの排出促進効果
(3)腰への負担を軽減
これらのメリットが横向きの姿勢で寝ることで得られると言われています。
一番わかりやすいのが、いびき。仰向けの状態で寝ていると気道が狭くなり呼吸がしづらいのですが、横向きになると気道が確保され、呼吸がしやすくなる為、いびきを軽減することができます。
右向きと左向きの違い
また、左向き、右向きの状態によって体に与える影響が異なっていることがわかっています。
右側を下にして寝ることによって、心臓の位置が上になる為、心臓への負担を軽減することができると言われています。
また、胃や腸などの消化器の出口が右側に位置していることから、右側を下にして寝ることで消化機能を助けてくれます。ただし、逆流性食道炎などを患っている方は逆効果になることもありますので注意しましょう。
左側を下にして眠ることで得られることに、リンパ液の正常な排出があります。体の左側はリンパ系の優位側であり、リンパ液はこちら側から排出されていると言われています。
その為、左側を下にして寝ることでリンパ系の分泌を促進しやすくしてくれる効果が期待できるのです。それによって、老廃物を排出してくれる作用も期待できます。
また、右側には大静脈などのデリケートな血管が集まっている為、右側を下にすることで圧迫されてしまいます。
その為、左側で寝た方が血流が悪くなることなく寝ることが出来る為、寝付きやすくなったり、安眠効果を得ることができると言われているのです。
特に妊娠中の女性にとっては、左側を下にして寝たほうが本人はもちろん、赤ちゃんにとっても負担が少ない姿勢と言えるでしょう。
左向き、右向きどちらを下にしても得られるメリットがありますが、自分の健康状態に合わせて選んでみても良いかもしれません。
寝方とその効果の違い
寝る姿勢によって、体調が良くなったり悪くなったりすることを知らない人は多いかもしれません。いつもこの向きで寝ているからと決まった姿勢で寝ていませんか?
実は寝る姿勢によっては健康を損ねる原因に繋がってしまうこともあるのです。特に、仰向けで寝ているという人はいびきや睡眠時無呼吸症候群が悪化してしまうこともあるようですので注意しましょう。
では、どのような寝方が健康に良いのでしょうか。
横向き姿勢で寝ることはメリットが多いと先程も述べましたが、左側を下にして寝る方がメリットが大きいと言えます。
左向きで寝るようにすると老廃物を排出しやすくしてくれたり、逆流性食道炎などの胸やけを緩和することができると言われています。
昨今では、この逆流性食道炎で悩まされている人が増えており、寝方一つでも改善することができることを知りましょう。
右側を下にして寝ることで、消化を促進してくれるのですが、逆流性食道炎の方が右側を下にして寝てしまうと、起床時の胃もたれや胸やけの原因に繋がってしまいます。
逆流性食道炎で悩んでいる方は、左側を下にして寝るように心掛けましょう。
横向き寝のデメリット
横向きで寝ることによってメリットもたくさんある反面、デメリットもあります。
同じ方向ばかりを下にしていると、骨盤などに歪みが生じる可能性があったり、顔の側面が枕に擦れる為、ほうれい線やしわの原因になってしまうこともあるようです。
これらのデメリットを回避する為にも、適度に寝返りを行うことが良いとされていますが、寝ている間のことなので無意識で分からないという場合もあるでしょう。
しかし、ほとんどの方は自然と寝返りを行っていますのであまり深く考えなくても良いようです。
横向き寝の工夫
また、横向きで寝る際のコツをしっかり押さえておくと、より質の高い睡眠をとることができます。
薄暗い照明を右側に置く
真っ暗闇でしか寝られない人は別として、ライトを付けて寝ている人はライトを右側に置くようにしてください。右側が明るいと自然と左側を向くようになります。
腰の下や膝の間にクッションを置く
横向きの姿勢で寝るのに慣れていない人にとっては、体が痛く感じることがあるかもしれません。その時には腰の下や膝の下にクッションを挟むと楽に寝ることができます。
いつもと違う姿勢で寝ると寝つきが悪くなることがありますので、このような方法を使用して寝やすい環境を整えてください。
横向き寝の基本ポイントとして、頚椎がまっすぐになるような状態で寝るようにしましょう。枕の高さが高すぎたり、低すぎると頚椎が歪んだ状態になってしまいますので、枕の高さをしっかり確認してください。
頚椎がまっすぐの状態になっていることで、首への負担を軽減することができますし、横向き寝の状態を安定させることができるでしょう。
また、横向き寝で寝ていると仰向けの状態に比べて体重を支える面が狭くなる為、負荷がかかりやすくなってしまいます。
肩や腰にかかる負担はかなりのものですので、あまりに負担を感じるようであれば、マットレスなどを交換してみることをおすすめします。体に痛みを感じるようであれば、まずは寝具から見直すことが大切です。
他にも寝るときにできる工夫として、睡眠前に食べると身体に良いものや、食べてはいけないものについても紹介していますので、そちらも併せて見てみてください。
まとめ
寝る姿勢の中でも横向きで寝るのが健康面で効果的ということがわかりました。睡眠不足で悩んでいる人や、起床時の胸やけなどに悩んでいるという人は、ぜひ寝る姿勢の見直しをしてみましょう。
自分が自然にとっている姿勢が一番楽だと思い込んでいる人がいるのですが、寝る姿勢一つで害になってしまうこともあるのです。
まずは、自分の体調に合わせて寝る選択をしていきましょう。横向きの姿勢一つでも左側で得られるメリットと、右側を下にすることで得られるメリットは異なっています。
その違いをしっかり把握することで、良質な睡眠へと近づけることができます。今日からすぐにできる方法ですので、自分の寝る姿勢を見直し、改善していきましょう。