コーヒーは世界で一番消費量が多い嗜好飲料とも称されるほど、高い人気を誇っています。日本でも新規のショップが次々と開店しており、最近ではコンビニでも飲めるようになっています。
しかし実はこの嗜好飲料はメリットだけではなく、デメリットも持ち合わせていることをご存知でしょうか。頻繁に飲むものなだけに体に与える良い影響や、長期的に摂取することで生じるリスクなどを知っておくことは大切です。
この記事の目次
コーヒーのメリット
がんのリスクが減少する
最近の研究でわかったことは、コーヒーにはがんの発症リスクを減らす効果があるということです。特に毎日飲むことが習慣化している人は、全く飲まない人と比べて乳がんや肝臓がん、口腔がんや前立腺がんの発症リスクが低くなっていることが報告されています。
抗酸化物質が豊富なことが、がんのリスクを低下させている要因の一つだと言われていますが、まだ完全に医学で解明されたわけではありません。それでも少なからずがんの予防効果はあると言えるでしょう。
カフェインによる覚醒作用がある
カフェインには筋肉や脳を活性化させる作用があり、眠気を防止したり、疲労を感じさせにくくする効果があります。体内でアデノシンという物質が、アデノシン受容体と結びつくことを防止するために起こる作用です。
このアデノシンがアデノシン受容体に結びつくと、神経が鎮静することがわかっています。そのためこの結びつきを抑えるカフェインを摂取すると、神経が興奮するようになるというわけです。
脳からはアドレナリンの分泌が増えるため、全身の筋肉が興奮して頭が冴え渡り、運動能力も大幅に向上するのです。眠気が消えるのもこのせいです。
アルコールの分解を助ける
また、コーヒーにはアルコール中毒を予防できるメリットがあります。
これはコーヒーに含まれる成分が直接的に作用するのではなく、アルコールを分解する働きを持つ肝臓を活性化するために中毒症状を予防すると言われています。
美容・健康に良い
脳や肌、内蔵を老化させる原因である活性酸素を除去する働きのある抗酸化物質が含まれている点もコーヒーのメリットです。
抗酸化物質は野菜や果物などにも含まれており、摂取することで体内の活性酸素を取り除き、健康や美容に良い影響を与えます。
ダイエット効果もある
カフェインには血中の脂肪酸数値を上昇させる働きがあるため、運動の前に飲むことで持久力が向上します。スポーツをする前にコップ一杯ほど飲んでおくと有利に働くことでしょう。
また、脂肪を燃焼させるダイエット効果も期待できます。カフェインには体の新陳代謝を最大で10%、最低でも3%ほど促進させる力があるとされています。
脂肪燃焼効果が促されるので、ダイエット中に積極的に摂取することで、効率よく体重を減少させることができるでしょう。
特に有酸素運動を行う前にコップ一杯を飲むようにすると、カロリーの消費量が上がって痩せやすくなります。ダイエットの強い味方となってくれるはずです。
様々な味が楽しめる
そして全世界には200種類以上ものコーヒー豆があるとも言われており、たくさんの味を楽しめるのもメリットです。
お店やコンビニでは様々な豆から作られたコーヒーが飲めるので、自分のお気に入りを探し歩くのも楽しみ方の一つと言えるのではないでしょうか。
美味しく飲めるだけではなく、健康的にもメリットの多い嗜好飲料であり、価格もそれほど高くないので世界中の人々から広く愛されているのです。テレビのコマーシャルでも有名な芸能人がこぞって宣伝をするなど、今後も日本での人気は拡大の一途をたどるでしょう。
コーヒーのデメリット
コーヒーにはメリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。
胃腸に負担がかかる
人によっては飲んだ後に胃腸に炎症を発生させる可能性があります。特に空きっ腹に大量のカフェインを摂取すると、胃潰瘍や胃炎、そして下痢を引き起こすリスクが増大します。
生まれつき胃腸が弱い人は、摂取する量を抑えた方が無難です。
利尿作用がある
カフェインには強い利尿作用があります。車を運転中や、トイレが近くにないような場所でコーヒーを飲むことは控えたほうが良いでしょう。
暑い時期にコーヒーを水分補給の一環として飲んでしまうと、強烈な利尿作用によってすぐに体内から排出されてしまうので、結果的にはほとんど水分を摂取できないことになります。
すると熱中症や脱水症状になってしまう恐れもあるので注意しなければいけません。
歯が黄ばむ
また、コーヒーを多量に飲むと歯が黄ばんでしまうというデメリットがあります。
炭酸飲料と同じように、クリープやシロップといった糖分がステインになるリスクを上げてしまうことがあります。虫歯にもなりやすくなるので、歯を大切にしている人は気をつける必要があります。
糖分を摂りすぎてしまう
そのまま飲むと苦いため、シロップなどを加える人も多いはずです。適量なら心配ありませんが、あまりに多い量の砂糖を入れて飲んでいると、糖尿病などの疾患を発症するリスクを高めます。
ジュースとは異なり、それほど甘いものを飲んでいるという感覚がないかもしれませんが、長期間にわたって糖分を摂取することで、体には悪い影響を与えてしまっているのです。
流産のリスクが増加する
最も怖いデメリットが、妊娠中に飲むことで起きる胎児の障害や流産リスクの増加です。
カフェインには胎児を守るために存在する胎盤を素通りする作用があり、妊娠中に飲むことで胎児に成長障害が起きたり、小児白血病を発症させるリスクを高めてしまいます。
さらに胎児はカフェインを分解したり、排出する酵素を持っていません。そのため一度胎児の体の中に入ってしまった代謝物は、胎児の脳に蓄積してしまうのです。
コーヒーによっては、わずか一杯のコーヒーでも危険なので一切飲まないようにしたほうが良いでしょう。
メリットの方が多いと思いきや、実はデメリットもそれなりにある嗜好飲料だということを頭に入れておく必要があります。特に妊娠中の女性は無事に出産するまでは飲まないように気をつけましょう。
まとめ
コーヒーに含まれるカフェインにはがんの予防効果があったり、全身を活性化させる作用があり、日常生活において良い影響を与える飲み物であることに間違いはありません。
一方で胃腸が弱い人には刺激が強かったり、妊娠中に飲むと胎児に悪影響を及ぼす可能性があるというデメリットも存在します。
コーヒーを飲む時は自分の体の状態と相談しながら、カフェインを摂取しても問題ないと判断した上で飲むようにしましょう。