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食べ物

消費期限と賞味期限の違いと、どうやって決めているのか

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消費期限と賞味期限の決め方

品質の劣化が極めて少ない砂糖や塩などの一部製品を除き、一般的に販売されている食品には安全に食べることができる期限を表す消費期限と、美味しく食べることができる賞味期限のどちらかの期限を表示しなければならないことが、食品衛生法やJAS法により義務付けられています。

劣化が早いため長く保存できない食品と、比較的長く保存することができる食品で違いがあり、その決め方は科学的な検査による結果で判断されています。

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賞味期限と消費期限の違い

スーパーに並ぶ食品

そもそも安全な食品とは、飲んだり食べたりした場合にその食品が消費者へ害を与えない食品のことですが、食べても安全な食品に全くリスクが無いかと言うとそうでは無く、食品を保存するために使われている食品添加物やその食材自体が持っている成分が変質して、消費者に対して悪影響を及ぼしてしまうことがあります。賞味期限と消費期限の違いはそれらを引き起こさないように定められているものです。

賞味期限とは何か

具体的に賞味期限は冷蔵や常温で保存ができる食品で、ハムやソーセージの加工品やレトルト食品、お菓子類や缶詰などに表示されています。

このように劣化が比較的遅い食品について、未開封の状態でその食品に表示されている保存方法で保存した場合に、製造者が味や風味、安全性などの全ての品質を保証して、美味しく食べることができると言う期限を示しているものが賞味期限です。

衛生面よりもその食品の品質の劣化による安全性へのリスクを重視している表示ですが、その期限を過ぎたらすぐに食べられなくなる訳では無く、開封したときに色やにおい、味などをチェックして問題が無ければ食べても問題はありません。

しかし、賞味期限を過ぎてしまうと味が落ちるので、いつまでも保存しないで期限内に消費することが大切ですが、一度開封してしまった場合は期限に関係無く、早めに消費するように心がけることが重要です。

消費期限とは何か

消費期限が表示されている食品は、いつまでも保存することができる訳では無く、その日までに消費しなければなりません。

未開封状態で、表示された保存方法を守って保存していた場合に、安全に食べることができる期限が消費期限で、お弁当やサンドイッチ、惣菜などの品質の劣化や痛みが早い食品に表示されており、その食品によって日数はさまざまですが、だいたい5日以内が一般的です。

賞味期限と異なり、食品の劣化よりも衛生面に問題の出やすい生鮮食品や加工食品に対して設定されており、製造してからの劣化が早いお弁当や総菜類などについては年月日に加えて時刻まで表示されていることがあります。

劣化により腐敗が発生する危険があり、菌が増殖すると食中毒などの可能性がでてきますので消費期限はきちんと守り、もったいないからと期限後に食べないようにすることが大切です。

表記は製造から期限へ

従来は製造年月日表示が一般的でしたが、保存技術の進歩により、製造年月日を見ただけではいつまで日持ちするか消費者側で判断できないことや、国際規格との調和が求められたことなどの理由により表示されるようになりました。

製造年月日を表示するように定められていた法律を平成7年に期限表示するように変更され、2年間の移行期間を経て、平成9年4月から完全に期限表示に切り替わりました。

これにより、製造年月日のみの表示は認められなくなりましたが、製造業者が消費期限や賞味期限の表示を適切に行った上で、消費者に対してその食品の安全や安心感を持ってもらうための情報提供として製造年月日を表示することは可能となっています。

賞味期限と消費期限はどのようにして決まるか

食品に必要な期限の表示

賞味期限と消費期限の決め方は、国や地方自治体はガイドラインを定めているのみで法律的に決めている訳ではありません。それぞれの食品の製造業者が独自に設定しており、輸入食品の場合は輸入業者が設定しています。

一般的には特定の条件の下で検査を行い、微生物の発生状況を調べて、それよりも厳しい基準で決められています。

理化学検査で期限を決める

具体的な検査方法のひとつが理化学検査で、その食品そのものの性質や成分を測定するものです。

検査項目には粘度、濁度、栄養成分、過酸化物価、PH、糖度などがあり、製造直後の通常の状態の測定値と、日数経過後の測定値を比較することで、その食品に起こっている変化を分析します。

官能検査で期限を決める

官能検査と呼ばれる食品の味、におい、食感、見た目の4点から、食品として食べることに問題が無いかの検査があります。これは実際に食べて判断する検査で、保存を始める前の製造直後の状態で一度検査をします。

そして、定められた保存方法で数日間保存した同じ食品の検査をしますが、そのときには製造直後の食品も同時に食べてみて、そんなに変化が無いようであれば、その期間は保存しても問題が無いと判断します。

人間の味覚や嗅覚、視覚などの感覚のみを利用して品質の判断をするので官能検査だけでは検知できない要素もありますが、感覚と言うものは全く無視できるものではありません。

官能検査を重要視することはできないものの、決して軽視することもできないので、多くの食品会社で食品検査のひとつとして採用されています。

微生物検査で期限を決める

微生物検査は重要な検査のひとつで、食品中に含まれている微生物を測定するものです。

一般生菌数の他、大腸菌群数、大腸菌数など食中毒を引き起こすような有害な菌の有無や量を調べる検査で、環境を変えて低温細菌残存数や芽胞菌の残存数などの検査も行います。

国の規範では、検出される細菌の数は加熱調理された食品で1グラムあたり10万個以下、加熱していない食品の場合は1グラムあたり100万個以下が望ましいとされています。

食品によって調べる菌が異なりますが、官能検査と同様に通常の状態と、定められた保存方法で保存して日数経過後の状態を比較することで、菌の増殖によりいつまで食品として耐えることができるかを判断します。

食品衛生法により微生物の基準が定められている食品や、自治体などで指導基準が定められている場合には製造業者は微生物検査は順守しなければなりません。

定められていない場合でも、食品加工場内の衛生管理が適切に実施されて安全な食品が製造、提供されているかを検証するために定期的な微生物検査は大変重要で、保健所により抜き打ち的に検査が行われることもあります。

決め方は定められていない

これらの検査を行い、賞味期限と消費期限は決められますが、3つの検査の全てを行わなければならないと言う決まりはありません。

科学的に合理的根拠をもって期限の説明ができれば、どれかひとつだけの検査でも問題無く、測定された値を基に食品衛生法や各自治体によって定められた基準と照らし合わせて賞味期限と消費期限は決定されます。

まとめ

食品は美味しい前に安全であることが大前提です。一度でもトラブルが発生してしまったら信用は失墜し、それを取り戻すためには大変な努力を必要とします。

そのため製造業者は検査結果の数値に更に「安全係数」と呼ばれる1未満の数字をかけて期限より短く設定することで安全性を高めていますが、裏を返せばまだ食べられるものを廃棄することに繋がると言えます。

このようにして賞味期限と消費期限は決定されますが、食品を無駄にしないようにするためには、賞味期限と消費期限の意味をしっかりと把握しておくことが必要です。

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