どんな仕事にも必ずといっていいほど休憩が存在します。それは肉体労働でも頭脳労働でも同じことです。人間の集中力は何時間も続くものではなく、適度に休んだ方が作業効率が良いというデータも出ています。
しかし、休憩時間も休むことなく働こうとする人もいます。効率良く働くことを考える場合、仕事の合間に休むことがどれだけ重要なことなのか、生産性の観点から知っておいたほうが良いかもしれません。
この記事の目次
作業と休憩の関係
法律では勤務時間が8時間以上であれば60分、6時間以上8時間未満であれば45分の休憩時間が義務付けられています。この休憩時間は昼休みの時間として活用されており、この時間に食事を済ませるなどの動きが見られます。
しかし作業効率を上げるための休憩というのは、この昼休みの時間のことではなく、勤務時間に該当する時間帯における「小休止」がこれに該当します。
小休止が必要な理由
肉体労働をしている人たちにも同じように昼休みはありますが、それだけでは体力がもちません。そのため、タバコを吸う、トイレに行くなどを理由にして休息の時間を設け、コーヒーを飲むなどしてリフレッシュする時間が設けられることとなります。
そうすることで残りの時間を頑張る、残っている作業をこなすためにもうひと頑張りするという気持ちになり、作業効率が上がることになります。
小休止が無いと
もし、こうしたものがなく、断続的に続けるとなれば大変です。数時間みっちり作業をするとなれば、最初の1時間や最後の1時間は何とか頑張れるかもしれませんが、その間の時間は肉体的にも精神的にも非常にしんどい時間となります。
このような時間は作業効率を低下させるだけでなく、予期せぬ事故、ヒューマンエラーなどを招いてしまいます。これは肉体労働に限らず、デスクワークの多い事務や営業などでも同じことです。
外回りの営業マンがコーヒーを飲むために喫茶店に入ることは決してサボってるわけではないのです。
理想的な休憩タイミング
そもそも人間の集中力は90分しか持たないということが言われています。また、最新の研究結果では、52分の労働時間に17分の休憩という組み合わせが作業効率をもっとも高めさせてくれるという結果も出ています。
理想的なのは1時間を1セットにし、50分の仕事、10分の休憩というのが管理しやすくなります。それではこまめに休みすぎているとなれば、90分を1セットにし、80分は仕事をし、10分は休むというのでも大丈夫です。
もちろん、会社によって小休止の間隔は決まっていることが多く、自分では決められないことも多いでしょう。しかしそのような場合は尚更、小休止を大切にする必要が出てきます。
小休止の意味は体力回復というものではありません。あくまでも気持ちを入れ替える、リフレッシュするという意味合いです。
まだまだこれからだから頑張ろうとか、残りこれぐらいで昼休みだとか、ご飯を食べて少し眠いけど頑張ろう、これが終わったら飲みに行くぞなど、事あるごとに自分を奮い立たせ、集中することができます。これが大事であり、いわゆるメリハリをつけることにつながっていきます。
作業効率のアップが重要
仕事をしている人の中には、こうした休憩時間も給与に含まれるのだからおかしいという人もいます。
確かにその気持ちはわかりますが、作業効率というのを考えた場合、無理に集中力が途切れた状態で仕事をするよりも、こまめに休んで仕事をした方が断然、作業効率は上です。
休むことも仕事のうちという捉え方をし、メリハリをつけることがビジネスマンとして重要という考え方ができるようになれば、堂々とこまめに休むことがしやすくなります。
休憩の効果を高める方法
作業効率を高めるためにはこまめに休憩をとることが重要という話をしてきましたが、問題はどのように休憩をとり、その効果を高めるのか。そして、休憩中にやってはいけない行動を知っておく必要があるでしょう。
コミュニケーションでリフレッシュ
休憩時間におすすめなのは、他の人とコミュニケーションをとることです。例えばコールセンターでの仕事の中には、数人がまとまって休憩して色々とお喋りをしながらその時間を過ごすという職場もあります。
仲間とコミュニケーションをとることでリラックスすることができ、自分だけ休んでいるという罪悪感を感じることなく休むことができます。そして、仲間との信頼関係を深めることができるという利点もあります。
作業効率を高めるだけでなく、チームワークとしての団結力も生まれるため、とても有意義な休憩時間になるはずです。
万全の体調をつくる
休憩時間はそのときの体調などによって、過ごし方を変えると良いかもしれません。例えば「昼寝」は、作業効率を高めるのに最適だといわれています。
眠気を感じながら仕事をして、それを我慢していたとしても作業効率が明らかに悪いのは言うまでもありません。ならば、その眠気をとる必要が出てきますが、その時に昼寝が効果的です。
昼寝といっても10分や15分程度で大丈夫です。体を休めるだけでもその効果を実感できます。逆に昼寝の時間が長すぎると作業効率が悪くなってしまうようなので、むしろ小休止の時間くらいが好都合なのです。
場所を変える
ランチスペースのような場所があれば、そこでお菓子を食べたりコーヒーを飲んだりするとリラックスしやすくなります。仮にこうした場所がないところであれば、違うフロアに行くなどして休憩をとると良いでしょう。
大事なことは、普段仕事をしている環境から離れるということであり、そうすることで休憩と仕事のメリハリがつきやすくなるのです。
休憩中にやってはいけないこと
デスクで休憩する
やってはいけない行動の一つとして挙げられるのは、デスクで休もうとする行為です。休むこと自体は問題がなくても、周りには仕事をしている人がいるなら注意が必要です。
突然タバコを吸い始めたり、優雅にコーヒーブレイクということになれば、仕事中の多くの人は気分を害することになります。これは、本人の作業効率は上がるかもしれませんが、別の人の作業効率が減退する恐れがあります。
周りのモチベーションを落とすような行動は控えるべきでしょう。休憩は別のところで休むという習慣をつけておくと良いでしょう。
ゲームをする
ついついやってしまいがちなのが、スマホのゲームでリフレッシュをしようとする行為です。確かに気分転換としては良いかもしれませんが、ゲームは基本的に集中力が必要なものが多いです。
休憩中は精神的にリラックスして脳を休ませる必要がありますので、集中力が必要なゲームをしてしまうと、うまく体を休めることができません。
また、小休止の時間だけでゲームを終わらせるのはなかなか難しいかもしれません。中途半端なところで止める必要がでてきたりもするので、十分に休んだ感じがしない原因にもつながります。
まとめ
こまめな休憩が作業効率を上げることは経営者側はもちろん、働く側も心得ておく必要があります。
仕事が忙しい時に休憩すると、サボっているようにみえるのではないかと不安になる人は多いかもしれませんが、パフォーマンスを上げるためには休むことが大事であり、忙しいときにこそ、しっかりとリフレッシュする必要があるのです。
休憩が比較的に少ない職場の場合は特に、休憩の質を上げて、作業再開までに万全の状態をつくるように意識してみてはいかがでしょうか。