誰しもが、鬱になりえます。それは、ある程度のストレスがたまると、人間はそうなりやすいように出来ているからです。ですから、気が滅入ることが多くても、自分だけだと思わないことは、大切です。
気が滅入るのには、セロトニンという脳内物質が関係していることが分かっており、セロトニンが分泌されやすいかどうかは、遺伝の影響もあるとされています。
つまり、自己責任だけでは決してないので、気が滅入る自分を責めたりするのは、逆効果ですし、意味がありません。
この記事の目次
簡単な鬱チェック
まず必要なのは、単なるちょっとした気分の落ち込みなのか、セロトニンが本格的に減ってきていて、何か対処が必要かどうかの見極めです。
それが判断できないと、カウンセリングなのか、投薬なのか、あるいは運動をすること、筋肉を鍛えることでテストステロンという物質を増やしてみるのが合うという人もいます。
その判断のためにも、鬱のチェックをしてみると良いでしょう。
診断1.人に会いたいか
鬱が悪化すると、人に会いたいという気持ちが無くなってきます。友達や恋人からのメールですらわずらわしくなることも多いです。
本来は嬉しいことなのに嬉しくない、出掛けたくないというのは、鬱の兆候と言えます。
診断2.食欲はあるか
鬱がすすむと、基本的に食欲が無くなっていくことが多いです。本来は好きな食べ物すら、食べるのが楽しみでない、どうでもいいと思ってしまうのは、まさに、セロトニンが不足しているときに起きる症状です。
診断3.眠れているか
鬱がすすむと、基本的に眠れなくなります。いわゆる不眠症をともなうことが多いです。
ですから、まともに睡眠がとれない、あるいは、寝てもすぐに起きてしまい疲れがとれないというようなつらい症状が、2週間以上続くようだと、鬱が進んできている可能性が高いです。
診断4.季節の変化を楽しめているか
セロトニンが不足しているときには、彩りや香りに鈍感になることが多く、感情が鈍化します。
春が来てあたたかく花がきれいだとか、夏が来て海や祭りが楽しみだとか、そういった四季の様子の変化にも、何も感じなくなることが多いので、自分がどうかチェックしてみる価値はあります。
診断5.笑ったり、泣けるていか
もちろん、もともとあまりそういった喜怒哀楽が豊かでない方も居ますが、鬱になると、感情が減るので、好きな番組を見ても笑えないであるとか、以前感動して泣いた映画を見ても何とも思わないというような症状が起きてくることが多いです。
症状6.毎日体がだるいか
上にあげたチェックのどれかに加えて、このチェック6が当てはまると、鬱の可能性は高いです。
たまにだるいが直ることもあるという感じではなく、常にだるいと感じるのが2週間以上続くようだと、一度病院に相談した方が良いかもしれません。
鬱かもしれない人がすべき対策
鬱の原因から考える
鬱の主な原因は、過剰なストレスなどから脳内の分泌物のバランスが崩れることとされています。ですから、まずすべきことは、自己責任にして自分を責めることをやめることです。
もちろん、ある程度症状がすすんでいると一人ではできない人も多いので、専門医やカウンセラーの力を借りると行いやすいです。
ストレスを避ける
また、大切な対策のひとつとして、過大なストレスを増やさない、なるべく減らせるよう、調整することです。
鬱の症状出る人の多くは真面目です。ですから、逃げてはいけないと、ストレスに立ち向かってしまう傾向がありますが、それは良くありません。
苦手な人がいるサークルや親戚付き合いなら、しばらく休ませてもらったり、ストレスの元凶から自分の心と体を守ってあげることが必要です。
それをせずにサプリメントを飲んだり睡眠導入剤の飲んだりしても、効果があまり得られないことが多いです。
完璧じゃなくても良い
鬱の症状が出やすい人たちは、往々にして責任感が強いとされています。そのことを自覚して、完璧にやろうとしない、手を抜くスキルを身に付けることも、大切です。
このように考えることで、次に鬱っぽくなってきたときに、悪化を防げるというメリットもあります。心身がリラックス出来ることを思い出してみたり、探して、心身の緊張をほぐすのも大切です。
身体を鍛える
また、筋肉を鍛えると、テストステロンという物質が出ますが、テストステロンは、攻撃性の性質もありますが、自信をもたらすという効果があります。ですから、出来る範囲でいいので、少し筋肉をつけるというのも有効です。
軽度の負荷のスクワットなどでも効果はあるとされています。ムキムキになる必要はなく、向精神薬とちがい、自分の体のなかから出てくる物質は、天然素材ですから、副作用もありませんから、安全性が高い対処索と言えます。
自分のペースを崩さない
自分に対して常に、鬱または鬱っぽい状態から早く脱け出せと言ってくる人とは、あまり交流を持たない方がベターです。
その手の人々は「あなたのためを思って」と言いますが、つらいのは鬱である当人です。何かしら理由をつけて穏便に誘いを断ったり、何か言われても右から左に受け流して、真に受けないようにするのも大切です。
楽しかったことを思い出す
また、近年の研究で分かってきていることが、今はつらくても、楽しかったときのことを思い返すだけでも、ハッピーな気分のもたらす効果は大きく、自分の楽しかった思い出の写真を見たり、目を閉じて思い返すと、自信が出てくることが分かっています。
そうした、ひとつずつは小さなことでも、対策を重ねてやっていくことで、鬱が楽になる可能性はあります。
溜め込まず、書き出してみる
また今の自分の気持ちをノートなどに書き出してみるのも良いとされています。
人間は、自然と気持ちを溜め込んでいます。それを書き出すようにすると、目で見える形にすることができ、客観的に何がつらくてどうしたいのかが分かってくることがあります。
また、気持ちを書き出すことは、ストレス発散効果も高いので、これは是非やるようにしましょう。
自分だけで解決できないときは
もちろん、自分自身では冷静にそうした対処索が実行できそうもないときには、病院や、カウンセリングセンターに行ってみるのは、有効です。
病院やカウンセリングに行くときには、あまり期待をしないというのも大切です。期待していくと、それほど効果が感じられなかったときなどにショックを受けてしまうので、心を守るために期待しないようにした方が、少しでも良いことがあればラッキーととらえられます。
まとめ
鬱になることは、悪いことでもなんでもありません。いつ誰がなってもおかしくないものです。ですから、誰でも風邪をひいたりインフルエンザになることがあるように、それくらいに考えて、責めないことが何より肝心です。
早めに適切な対処が出来れば、悪化を防げ、再発もしづらくなる可能性は高まります。ですから、対処は早い方が良いですが、遅かったらもうダメというものでもありません。
現在、たくさんの人々が鬱の症状とつきあっています。それくらいにメジャーなものだということ、自己責任だけではないことを忘れずに、それぞれのペースで対処していくことが大切です。
新しい研究や薬、対処法も常に日進月歩で発見されているので、諦めずに、できることから始めていきましょう。