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生卵もゆで卵もレンジで加熱すると爆発するのはなぜ?

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卵の爆発

どこの家庭にもある電子レンジは単に料理を温めるだけでなく、ご飯を炊いたり凝った料理やお菓子まで作ることができる、無くてはならない家電製品の一つです。巷には電子レンジでつくる専用レシピ本や調理器具がバラエティ豊かに並んでいます。

しかしその一方で、卵などの食材によっては利用すると爆発してしまう、といった大きな危険も孕んでいることは有名ですね。それでは、なぜそういった危険があるのでしょうか。この理由を知れば、ご家庭のレンジで卵料理を作ることも可能になるはずです。

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生卵もゆで卵も電子レンジで爆発する理由

爆発した卵

電子レンジの仕組みと水分の膨張

日ごろボタンを押すだけで使える電子レンジですが、どうしてそれだけで食材を温めることができるのかご存じでしょうか。電子レンジはマイクロ波という電波を出し、食材の中に含まれる水分の分子を振動させ、その摩擦熱で温度を上昇させているのです。

その温度は優に100度以上。温まった水分は、沸騰して水蒸気になりますから、この時点で食材の水分は相当膨張していることになります。

スープや煮物のお皿に、ラップをかけて温めたときのことを思い出してください。温めている間、ラップは見るまに膨らんでいきますよね。あれこそが、熱されて膨張した水蒸気なのです。

生卵の水分も例外ではない

もちろん生卵の「中」でも、同じことが起こっています。

普通の食材ならば水蒸気は外に逃げることができますが、生卵の場合はその固い殻に覆われた性質上、水蒸気が逃げることができません。逃げ場のない水蒸気が加熱によって沸騰し続けさらに膨張し、ついには水蒸気爆発を誘引してしまう、これが生卵をレンジで温めてはいけない理由です。

では、卵の硬い殻を割った中味だけではどうなるのかというと、それでもまだ爆発の危険性があります。殻はなくとも、黄身の周囲には白身や薄い膜がありますから、加熱によって水蒸気が膨張する危険性は変わらないのです。

卵を茹でても爆発しないけど?

その理屈ならお湯で茹でて、ゆで卵を作る場合も危険なのでは?と不思議に思われるかもしれませんが、水で茹でる場合には電子レンジと大きく異なる点があります。

電子レンジは食材の外側も中心も、まんべんなく一気に加熱してくれる性質があるのですが、茹でる場合は「外からじわじわ中心に向かって」加熱していくので、急速に殻の中味全体が沸騰する危険がないのです。

電子レンジの場合は破裂するだけではなく、ひどい場合は飛び散った卵から発火する恐れもあるので、冗談でも電子レンジに入れることのないようにしましょう。

ゆで卵を加熱しても爆発するの?

生卵の過熱が危険であることは有名ですが、調理済みのものについてはどうでしょうか。実はゆで卵でも電子レンジの加熱によって爆発してしまう危険があります。

すでに固形になった白身と黄身、これなら水分も少ないし水蒸気爆発なんてしないだろう。と思うかもしれませんが、黄身は白身に包まれた構造で、水分量も違うため急激な温度の上昇に大変デリケートなものです。

加熱することによって黄身は高温になりますが、白身に押さえつけられている状態のため水蒸気の逃げ場がないことに変わりはないのです。

大丈夫そうに見えて危ないゆで卵

ゆで卵がレンジの庫内で爆発することもありますが、恐ろしいのは一見なんの問題も起こっていない場合です。うまく温まったと思ってゆで卵をお皿に乗せて、さあ食べよう、とお箸を刺したそのとたんに、熱い黄身がバチン!といったこともあり得ます。

飛び散るだけなら掃除が大変といった程度の被害ですみますが、このときの食材は非常に高温になっています。顔などにかかると火傷が残る恐れもありますので十分な注意が必要です。

黄身が露出している目玉焼きも、黄身には薄い膜がありますから、こちらも水蒸気が逃げ場を失うという理由から稀に爆発することがあるようです。

覆われたものを熱するときは注意!

同じ理由から、膜につつまれたイカや、殻に覆われた栗といった食材にも爆発の危険があります。電子レンジを安全に使うために、日々の食材を意識したいですね。

なぜ危険なのか、その理由を理解した上で、次はレンジで卵を温める方法を見ていきましょう。

卵を爆発させず温める方法

爆発していないゆで卵

電子レンジでゆで卵を作る方法

危険とはいえ、電子レンジでの調理は捨てがたいですよね。そこで、電子レンジでも爆発しないゆで卵の作り方をご紹介します。材料は生卵一個で、道具はアルミホイル、卵がすっぽり収まる耐熱容器(マグカップなど)です。

まず、生卵をアルミホイルで包みます。このとき卵を綺麗にアルミホイルが覆い、殻が露出しないように気をつけましょう。包むときにうっかり殻にヒビが入ったり割れてしまわないように注意も必要です。

そして、アルミホイルで包んだものを用意した耐熱容器の中へ入れて水を注ぎます。包んだ卵が完全に水に浸かり、一センチほど水面とアルミホイルの間に余裕があるくらいまで注ぎましょう。

そして500ワットの設定で5分~10分ほど加熱。ワット数の強弱や、好みの黄身の硬さによっては加熱時間も変化しますので、いろいろと試してみてください。レンジから取り出したあとは、普通に茹でて作ったときと同じように冷水につけて殻を剥くだけです。

このときに気をつけていただきたいのがアルミホイルです。水面からアルミホイルが露出していたり、加熱しすぎて容器の水が蒸発してしまうと、発火の恐れもありますので十分気をつけて行なってください。

電子レンジでゆで卵を温める方法

できあがったゆで卵を再度温めたい場合は、黄身に割りばしなどを刺して穴をあけてしまえば、爆発の危険性はぐっと下がります。

白身を貫通して黄身に穴を開けることで、加熱したときの水蒸気の逃げ場を作ってあげるのです。穴を開けるなんて不格好で嫌だなと思うときは、思い切って半分に切ってしまって加熱するといいでしょう。

電子レンジで目玉焼きを作る方法

爆発の理由さえ押さえておけば、なんと電子レンジで目玉焼きまで作れてしまいます。

まず底が平らな耐熱のお皿をさっと水に濡らします。そして水滴がついたままのお皿に、卵を一個割り入れましょう。そして、黄身につまようじで一か所穴を開けます。

ふっくらした黄身は意外と頑丈で、つまようじの穴が開いてもけっこう崩れないものです。黄身を爆発させない大事なポイントですので忘れないようにしてください。次にラップをかけて、あとはレンジにいれるだけ。

二つ目の大事なポイントは電子レンジの電力です。200ワットなどの弱モードや解凍モードに設定してください。

その状態で約1分。慣れていないうちは30秒ごとにレンジを開けて、加熱しすぎていないか確認すると安心です。また、このとき白身の一部分だけ固まり、一部分だけはちっとも固まらない、といったことも起こります。

その場合はお皿の向きを変えることで電磁波のムラがなくなり、全体的に火が通るようになります。急激な加熱は爆発の原因ですので、弱い電力でじわじわ温めることで、安全に目玉焼きを作ることができるのです。

電子レンジで温泉卵を作る方法

同じ要領で温泉卵も作ることができます。

まず耐熱容器(マグカップなど)に卵を「割り入れて」水をそそぎます。このとき、完全に黄身も白身も水に浸かるよう、慎重にたっぷり注いでください。

目玉焼きと同じように、つまようじで黄身に1~2か所穴をあけて500ワットで1分ほど加熱します。白身や黄身の具合によっては30秒増やしたり、減らしたりして好みの固さを目指しましょう。

まとめ

たかが食品の爆発、と油断していると大やけどにもつながる危険もあるレンジ調理ですが、どうすれば安全に調理することができるかを理解しておけば怖くはありません。

コツは弱モードの活用と、黄身に穴をあけること。せっかく栄養満点で美味しい卵ですから、電子レンジでの調理方法も知っていると料理の幅が広がります。(火傷には十分に注意して行なってください。)

忙しい朝の食卓や、疲れて台所に立ちたくない夜にぜひ活用してみてください。

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