夏の間に家族や友達と泳ぎに出かける人も多いことでしょう。日本の海水浴場というと、安全なイメージが強いかもしれませんが、意外にも危険な生物はたくさんいるのです。
噛み付いたり引っ掻いたりして怪我を負わせてしまうタイプのものもいれば、毒を持っていて場合によっては命にかかわることもあるタイプまでいます。
水着にサンダルといった露出の高い格好で長い時間過ごすため、肌に直接触れる可能性が高くなりますので、うっかり触れたりしないように十分注意して過ごすようにしましょう。
この記事の目次
海で注意するべき危険生物たち
海で注意をするべき生物としてメジャーなものにクラゲが挙げられます。クラゲにも色々な種類のものがありますが、最もよく見かけるミズクラゲは刺されてもそれほど毒性もありません。
痛みやかゆみを感じることもありますので、刺された後には適切な処置を施しておくようにしましょう。
アンドンクラゲ
アンドンクラゲは電気クラゲの一種で、刺されると強い痛みを感じます。お盆時期頃に浅瀬に大量に見られるようになるクラゲで、長い足が特徴的です。
毒性はそれほど強くありませんが、傘も小さく目視しにくいため注意が必要です。
カツオノエボシ
また、同じクラゲの仲間であるカツオノエボシは猛毒を持っているので要注意です。刺されると体中に電気が走ったような激痛をもたらします。刺された部分はミミズ腫れのようになり、痛みも長時間続きます。
ミズクラゲと異なり、青い浮袋を持っているのが特徴的です。砂浜に打ち上げられていることもあり、見た目は青いビニール袋のように見えるので、うっかり触ってしまうと大変危険です。
カツオノエボシの職種は非常に長いので、近づいただけでも刺される危険性があります。2度目に刺された場合にはアナフィラキシーショックを起こし、死亡してしまうケースもありますので、海辺で青いビニールのようなものを見かけたら決して近づかないように心がけましょう。
オニダルマオコゼ
オニダルマオコゼは、小笠原諸島や沖縄付近に生息している生き物で、岩やサンゴに擬態する能力を持っているため、非常に見つけにくくなっています。
背びれに毒を持っており、岩などと間違えてうっかり踏んでしまうと大変危険です。刺されると紫色に変色し、晴れてしまうこともあり、酷い場合は呼吸困難や意識障害、痙攣を引き起こし、最悪の場合死に至る危険性もあります。
オニダルマオコゼに刺された場合には、応急処置として、患部をしっかりと洗い、心臓に近い位置を縛って毒が回るのを防ぎましょう。
患部をやや熱めのお湯につけると痛みが引きやすくなります。応急処置が済んだ後はすみやかに病院で診察をうけるようにしましょう。
ダツ
海釣りを楽しむ方は、ダツに気をつけておきたいものです。別名ニードルフィッシュとも呼ばれるダツは、まるで棘のように細く伸びた口が非常に特徴的です。
時速60kmの速さで光に向かって突進してくるため、特に夜釣りでライトを使用していると船に向かって飛び上がってきます。
ダツ自体に毒性があるというわけではありませんが、まるで弾丸のように前触れもなく飛びかかってくるため、刺さり場所が悪いと大怪我をしたり、命を失う可能性もあります。
ゴマモンガラ
ダイビングの際に気をつけたいのがゴマモンガラです。見た目は黄色く、大きなものは50cm程もあるので、目立ちやすい魚です。ゴマモンガラは繁殖時期に非常に攻撃性が高くなり、近づくものには容赦なく噛み付いてくる性質があります。
貝殻も簡単に噛み砕くほどの強靭な顎を持っているため、うっかり噛まれると、何針も縫う大怪我を負うこともあります。もし見かけたら速やかに離れるようにしましょう。
オニヒトデ
オニヒトデはサンゴを食害することでもよく知られているヒトデです。15〜30cmほどの大型の人手で、全身に棘に覆われているのが特徴的です。
背面には2〜3cmほどの毒性のある棘を持ち、刺されてしまうと非常に強い痛みを生じます。患部が壊死してしまう場合や、アナフィラキシーショックにより死亡してしまう場合もある非常に危険な生物です。
時折大量発生することもあるため、注意が必要です。万が一刺された場合には、直ちにポイズンリムーバーなどを使って血液を吸い出し、すぐに病院で手当を受けるようにしましょう。
エラブウミヘビ
エラブウミヘビは、沖縄や奄美地方などでよく見られるウミヘビで、70〜150cmで細長く、青地に黒い帯状の模様がついているのが特徴です。浅瀬でも目撃されることが多く、陸上にも上がってくることのあるヘビですので、注意が必要です。
こちらから刺激を与えない限り噛まれるようなことはありませんが、万が一噛まれてしまうとハブの70〜80倍もの猛毒を持っているので大変危険です。間違っても素手で捕まえようとしないようにしましょう。
アカエイ
アカエイも危険な海の生物として有名です。全長2mほどの大型の魚で、尾の部分に猛毒を持っています。日本全土に広く生息しており、浅瀬の泥の中などを好む傾向があるため、水辺遊びや潮干狩りのときにも注意が必要です。
アカエイの尾ひれには返しがついているため、一度刺されると容易には抜けません。無理に引き抜こうとすると傷口が広がってしまう危険性もある、非常に厄介な毒針です。
アカエイの毒はタンパク質毒と呼ばれるタイプのもので、患部の細胞を直接壊し始めます。そのため非常に強い痛みが長時間続きます。
酷い場合は死に至ることもありますので、刺された時にはすぐに吸血し、患部をお湯で温めながら医療機関で手当を受けるようにしましょう。
ヒョウモンダコ
ヒョウモンダコは小型でありながら非常に危険な毒を持っていることで知られています。
本来日本には生息しないと言われていたヒョウモンダコですが、2012年に鳥取で見つかって以来、あらゆる地域で相次いで発見されてきています。どんどん生息地を拡大していっているため、いつどこで発見されても不思議ではありません。
普段は茶色っぽい体色に黒い縞模様ですが、刺激を与えると身体が黄色っぽく変化し、青いリング状の模様が浮き出てくるのが特徴的です。
そして身の危険を感じると、唾液を飛ばしたり、噛み付いたりして攻撃をしてきます。ヒョウモンダコの唾液にはフグと同じテトロドトキシンに加え、ハパロトキシンも含まれており、特にテトロドトキシンの量はフグの1000倍もの毒を持っていると言われています。
人がヒョウモンダコに噛まれると、まず呼吸困難をもたらす麻痺を起こし、酸素不足になり心停止へと繋がります。噛まれても殆ど痛みを感じないので非常に厄介な生物です。
もし噛まれたら、無理に吸い出そうとせず、すぐに救急病院にて処置を受けるようにしましょう。
まとめ
沖だけでなく、浅瀬にも現れることがある危険生物は意外にも多く、興味本位で近づいたり触ったりすることで攻撃を受けてしまうことも少なくありません。
見慣れない生物を見かけても、決して素手で触ったりしないように心がけましょう。
また、できるだけ露出を控えるのもおすすめです。マリンスーツを着用するだけでもクラゲなどから身を守ることが可能です。泥の中から攻撃をしてくる生き物も少なくないので、出来るだけ素足で海の中に入らないようにしましょう。